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はじめに

おぺんぺんの会のぺんぺんは短編小説の編の部分からきています。それだと、長編でも中編でもいいじゃないか。と思うかもしれません。私もそう思います。でもはじまりは短編小説を読む会なのです。
(おたんぺんを100回言ったらおぺんぺんになったとか、諸説あります。)

このおぺんぺんの会は何も読んでいないと言ってもおかしくない私が、大虎さんにお願いをして誕生しました。大虎さんはあらゆる本を読んでいて、面白い干し柿みたいな人です。お願いをした次の日に自分の本棚から私が好きそうな本を10冊ほど選んできてくれました。

韓国料理を食べながら、大虎さんはその本たちを一冊ずつ説明してくれました。私が実際に本を開いてさわりだけ読んでみる。読めそう!って思ったら、読む。難しいと思ったらやめていいよ、と言われたのでひとまずやってみました。そうすると大虎さんは、モノクロ映画が苦手な現代人っていう感じだなぁ、でもそのうち力がついてきたら大丈夫だから。本を読めばどこにだって行けるよ。19世期にだって、ラテンアメリカだってね。本を読まなくても生きていけるって言う人いるけど、生きていけないんだよ。本に出会わずに死んでいくっていうだけだから、と言った大虎さんの顔を忘れたくないなと思いながら、私はナムルもやしを口いっぱいに入れて食べました。

大虎さんは本を貸してあげるよ。と言ってくれたけど、本を借りて返せる自信がないのと、自分の本を集めたかったので一緒に本屋さんに行きました。大虎さんの書店での動きはいつにも増して速い!気がつくと私の手に本が積み重なっていました。
ビニール袋いっぱいに文庫本が詰め込まれて、それだけで私のはじめての本棚になった気分になって何度も袋を覗いては嬉しい気持ちになりました。

これからこんな面白い本に出会えるなんていいなぁ。私の中の恥ずかしい気持ちが大虎さんの一言で楽しみに変わった瞬間です。

おぺんぺんの会はわたしラザニアと、大虎さんの小さな楽しい会なのです。