玉に取り憑かれた男

初対面での彼は女装しマスクをしていた

その女装はさながら貞子のようだった

ウィッグは乱れボサボサ
目は隠れている
そしてマスクをしているので
ほとんど顔は見えなかった

着ている服は普段着、
つまり男物

女装が趣味とも言い難い

怪しい

警戒心をソファのスミに座ることで
表していたが、

彼は私の横にピッタリとくっついてきた

貞子おじさん

怪しい…

2人でソファの隅に座り喋るという
なんとも異様な空間

そして先にシャワーを浴びてもらう

客「一緒に入らないの？」

私「一緒に浴びない決まりです」

客「そっか…」

しょんぼりし

ウイッグをつけたままシャワーを浴びていた

睾丸マッサージの準備をしていると
ベッド上にビニール袋が置かれていた

え？おもちゃ？

中を見ようと思ったが、
後々トラブル発生したときの自衛として
ベタベタ指紋をつけないでおこう

そして盗聴盗撮防止のためにも
この私物はテーブルへ移動させた

シャワーを浴びた彼は
「どうしたらいい？」と
嬉々としていた

そんな彼とは対照的に私は落ち着いた声で

「うつ伏せになってください」と伝えた

彼はうつ伏せになり

私はマッサージを始めた。

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