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シングルマザーが家を探す③

近所で家を探すと決めて動き出した。

安けりゃ安いほど良い

漠然と、そんな短絡的ノリでスマホに手を伸ばす

そして
相変わらず指が重い

期待値0のマインドで行く

雨風しのげりゃいいんだ

とまずは最低ラインをどこまでも低くいく

単純な私は不動産サイトの検索の設定に

6万〜

20平米〜

と打ち込み


期待値0の姿勢を貫く


木造のワンルームのアパートが
淡々と現れたスマホの画面を指で数センチ
上にスーッとなぞった

うん。綺麗に想定内。

次の瞬間

ホームボタンを押した


休憩室で、そのままフリーズしてしまっていた


期待度0って言ったけどさ

むしろ、二人で住めるの?


洗濯機置き場もなく、日当たりも無さそう

というか、そもそも一人暮らし物件に

二人入居させてもらえるの?

子供いても入居OKもらえるの?


動きだして今までぼやっとしていた

現実の輪郭が少しずつクッキリみえてきた


いや、うん。覚悟はしていたじゃないか。

落ち着こ。

帰りの電車でみよう。

とりあえず、自分をなだめて仕事に戻った。


で、帰りの電車では見なかった。


インスタと明日の天気チェックして

明日の息子の宿題や昼食や夕飯の献立のことで頭の中はいっぱい

ワーママなんてみんなそう。


っていうか、仕事してさ、家事してさ、サボり魔の息子の宿題チェックしてさ、ご飯考えてさ

引っ越しって!!!

っつーか手伝ってよ!!

帰り道、スーパーの袋の重みと合わさって

心に溜まってたものが溢れてきた

実際、自分には無理ではないし
やれると分かっているけど
嫌味の一つも言いたくなった

飄々と破綻したとか言ったまんま

放置してきた元夫に


で、帰りながら電話した

出ない


出ないんだ。基本。昔から。


私がこの状態になった時、
野性の勘でも働くのか彼はかわすのが
すこぶる上手いのだ。プロなのだ。

そしてなんでかけたのか理由も忘れた頃に
レスポンスが返ってくるんだ

なんだった?

(しかも凄く穏やかな声で)

なんだったかは多分察してるくせに。

私はひとこと


え?もうタイムリーじゃないし。

でも、こうだった。と落ち着いて伝える。
大人だから。


で、ああ、まあそうなるよね。
頑張ろ!じゃ!

と会話は終わる。


私たちの結婚生活は大体これで想像がつくであろう。
お互い自立していなければやってられん
そんなマインドにならざるおえない

自由過ぎる元夫なのだ


これは今に始まったことではない
初めて会った時からこうだった


私は

頭の中で

巨大なハリセンを

元夫の後頭部に1発くらわせ

ハリセンを思い切り投げ捨てる


どこからともなく登場した
黒子達が遠慮がちに
失神した彼を引きづりながら退場していく

この様にして頭から追い出す

(これは本当に何度も私を救ったストレス発散マインドで、色んなバリエーションがあるのでいつかどこかでお披露目したいと思っている)


まあ、そんなヒステリーを起こした。

愚痴とバカ話はこれくらいにして

気を取り直し

めぼしい物件をダダダっと
片っ端から問い合わせした

まずは行動。1日一歩でも前に進む。

一歩進んで、早く寝た。

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