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蔵開き | すきなもの 編

何という刺激もなく過ごしていた某日。
毎日をこんなにも退屈に過ごして、こんなことでいいのか?と自問していたとき(←大袈裟)、わたしのアンテナが素敵なものを捉えました。
こ、これはっ!!!

「HANZO 半蔵まつり#2024」

『何があっても、絶対に行く!』と心に決め、スケジュール帳に書き込みました。
こんな素敵な、しかも、日本酒の、半蔵の、蔵開き(まつり)を一人で楽しむなんて、罰が当たる。。
ということで、日本酒仲間のM姐さんを誘い、二人で行くことにしました。

いざ、伊賀へ!

三重県伊賀市の会場までは、電車とバスを乗り継いで行くことに。大田酒造さんが手配してくれるシャトルバスに乗ることも考えたのですが、電車との乗り継ぎが難しそう・・・。
乗り継ぎがうまくいかないと時間のロスになるし、お目当てのお酒が飲めなかったり、席が確保できなかったりするかもしれない。
言い知れぬ不安がわたしを襲ってきます(←いちいち大袈裟)。
『そうだ!路線バスに乗ればいいんだわ!』
とひらめき、最寄駅からは路線バスで移動することにしました。
(いや、別にそこまでの妙案ではない。誰でも思いつく)

予定を組む段階からテンションはマックス。気分もノリにノっているので、良く知恵が働き、ベストな時間帯を見つけることに成功しました。
(うん、この情報社会。「乗換案内」という機能を使えば、いとも容易い。大袈裟劇場は続く・・・)

少々の不便も、小旅行を演出するには楽しさに変わるものです。しかも、その辿り着いた先には、大好物が待っている・・・。このときのわたしには「喜」「楽」の感情しかありませんでした。
だからという訳でもないですが、車窓から見る伊賀の景色は美しかった。

到着!

路線バスに乗って向かうのは、わたしとМ姐さんくらいだろう…と思っていたら、同じ目的の人たちが数人いました。
路線バスで移動することは、そんな奇策ではなかったと実感したのでした。
凡人のわたし。

会場はすでに賑わっていて、人々のテンションと酒造の皆さんの明るいもてなしに、笑みがこぼれました。
そして、わたしのエンジンもかかります!

勝負、勝負~!

いつもは駐車場のところが、この日はテントでいっぱい。
地元の飲食店の出店もあって、お酒を楽しむのに「ちょうど良い」食べ物がいくつもありました。
わたしとM姐さんが一番に食べたのは、めざし。本来なら代金を払わないといけないのに、ブースにいた方が振舞ってくださいました。
(ありがとう!猪田地区有志の皆さん!!)
口の中が海の香りと塩味でいっぱいになった頃、次に目に飛び込んできたのが「おむすび」。
実は、この「おむすび」こそが、わたしの目的でもありました。
ただのおむすびではなく、酒米のおむすびだったんです。
こちらは酒造のスタッフさんが振舞ってくださいました。
小ぶりなおむすびで、炊き方も絶妙で、とっても美味しかった!
『酒米ってこんな味なのね・・・』
*これはまた、「酒米のおむすび編」として書くことにします。

そして、ようやく日本酒をいただくことに。
午前10時過ぎという、ちょっと小腹が減りだす時間になっていたので、めざしとおむすびが胃を守るにはちょうど良いおやつになりました。
空腹気味にいきなりの日本酒は、いくらなんでも良くない(わたしには)。

まず、いただいたのは、無料試飲で振舞われた「半蔵  志光(しこう)」。
三重県志摩産の「神の穂」100%で作られたお酒です。
少し酸味があるというか、やや辛口というのかな。すっきりとした、飲み心地。お造りなど魚料理に合いそう。
*個人の感想

これで完全に火が付いたので、次はいよいよ飲み比べです。
飲みたいお酒の券を買い、注いでもらいます。
12種類のラインナップから3つを選びました。
どれにしようか、とても悩むところでしたが、スタッフの皆さんの迅速な対応であっという間に列が捌かれていくので、こちらも瞬発力が大事になってきます。
ということで、わたしが選んだのは、
「i田(いだ)」「半蔵大吟醸 雫酒」「半蔵純米大吟醸 磨き40」。
はい、そうです。大田酒造さんのファンの方ならお分かりだと思いますが、高級酒3つにしました!
M姐さんも同じです。

「はーい!高級酒、3本出ま~す!!」とスタッフさんも盛り上げてくれるので、わたしの興奮もマックスになります。
M姐さんも同じことを言われていた。

周りから見れば、わたしと姐さんはただの酒飲みに見られるのかもしれません。しかし、当の本人たちは、毎回、真剣勝負なんです。
それぞれのお酒の特徴をしっかり確認し合い、どんなお料理に合いそうかを話します。酔いが回らないうちの大事な確認作業です。共感したあとは、自分のペースでご陽気に楽しむ。
これが常です。

つまみの豆腐田楽、たこ焼きで、ちびりちびり・・・。
4月の澄んだ青空の下で飲む伊賀酒のおいしいこと。

他に、ひかり餅中村本舗さんのつきたてきな粉餅、土井敏久さんのお出汁も堪能。
すべてがおいしかったです。

昼間のお酒は足に来ます。まったりしていると、振舞い酒の志光やおむすびをスタッフさんが配りに来てくださるので、厚かましく何度もおかわり。
結局、飲み比べは、3種類に終わりました。
(帰りの道中を考えると、深酒は禁物!!)

それぞれのお酒の感想

「i田(いだ)」
酒蔵の地元・猪田(いだ)地域で育てられた山田錦で作られたお酒。「志光」が志摩から来た転校生なら、「i田」は生粋の地元っ子。クセのない素直な味わいで、お米のうま味を感じます。
三重県出身の画家・岩名泰岳さんとデザイナーの すみ かずきさんのデザインによるラベルも素敵。
*あくまで個人の感想

「半蔵大吟醸 雫酒」
こちらはとても品のある味わい。丁寧に作られたのが分かる逸品。わたしの大好きなお造りはもちろん、すき焼きや鴨肉とも相性が良さそう。
特別な日に、大切な人と飲みたくなるお酒。
*あくまで個人の感想

「半蔵純米大吟醸 磨き40」
一口目に林檎を感じる香りも良いお酒。時間が経つにつれ、最初の優しい印象からしっかりとしたおいしさに変わった感じがしました。こちらも、とんでもなくおいしく、上品なお酒。つまみなしでも飲めちゃう。
*あくまで個人の感想

最後は悩みに悩んで・・・

日本酒のおいしさを分かち合える人は、M姐さんだけなんですよね。そして、酒造の蔵まつりの楽しさを教えてくれたのも姐さんで、本当にいつも感謝しています。
姐さんの好みは辛口。わたしはフルーティーなものが好きですが、結局、いつも同じものを買って帰ります。今回も同じでした。

今回、購入したのは、
「半蔵  志光(しこう)」と酒粕。

やっぱり、「雫酒」と「磨き40」は、ハレの日など特別な日のお酒だと思いました。普段に飲むのは、ちょっともったいないな、と。なので、令和7年の元旦に飲むことにしようと思います。
「i田」を今回選ばなかったのは、こちらは自分の誕生日に飲もうかな・・・という気分になったからです。やはり、誕生日はいつもとは違うお酒が飲みたいですもの。それに一つ年を重ねるタイミングに「地のパワー」をいただきたい(あやかりたい)のもあるからです。
「志光」も普段飲みするには、もったいないお酒です。でも、これは日々のご褒美に贅沢をしたい思いから、購入に至りました。

そして、ツッコみたいのが酒粕だと思いますが、日本酒同様に酒粕の甘酒も大好物なのです。町の酒屋さんには新酒のシーズンしか見かけないので、蔵元へ行った時には、ほぼほぼ毎回、買います。蔵元で買うとフレッシュで、やっぱり違うんですよね。

ということで、楽しい、美味しい、伊賀酒のおまつりでした。
次はどこのイベントに参加しようかな???
伊賀酒は本当に美味しいです。全国の百貨店にも「半蔵」が置かれていると思います。ぜひ、ご賞味あれ。

今回訪ねたお店

大田酒造
三重県伊賀市にある蔵元
創業1892年(明治25年)
三重県産、伊賀産の酒米を原料米とし、地域にねざした酒造りをされている



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