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4/12「劇作オンライン・プロトタイプ」振り返り記事

タイトル通り

4/12に行った「劇作オンライン・プロトタイプ」の振り返り記事です。なのですが、今回は語り合ったプロットを振り返る事より「劇作オンラインとはこんな感じですよ」を主に語ろうと思います。読んだ方にご興味持っていただけますよう。

◆プロトタイプ開催経緯はこちら

今回の参加者は2名の方々。それと僕と小飴さん併せて4名で開催になりました。

今、よく聞くZoomだとかも候補に上がってはいたのだけど、最終的にLINEのビデオ通話で行きましょうと。小飴さんがコトリ会議のKAVCアートジャックの時にグループ通話を使用したようで詳しい(僕にとっては)のもあって。どちらにせよそれらに疎すぎる僕にもLINEならばなんとなくわかる気がしたし、LINEなら既に劇作イベントで繋がってる方と余計な説明なく繋がれるのが大きかったと思います。余計な説明を省けると言うのは、(野村が主に)劇作イベント/プロット作り以外に気にするところがなくなるって話だけど。少人数で行えるのが劇作イベントだし、その点でもこちらで良かった気がします。

今後の開催もLINEビデオ通話いくと思われます。

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※Wi-Fi環境のある場所で参加してくださるのが超オススメです。ちなみに僕は自宅のソフトバンクAirが使えなくて切って参加しました。でも今後を考えるとWi-Fi必要だよ、これは。

今回の劇作オンライン・プロトタイプは、30×30(短編イベント)等に参加する為でなく、イベントが成立するかどうかを確認&問題点の洗い出しが主でしたが、参加くださったお二人のおかげでいつもとほぼ変わらず進めました。まずはご参加下さったお二人に感謝。

プロトタイプとは言え、先を見据え今までと進行をほぼ変えずスタート。

テーマとシチュエーションを出してもらう。

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このイベントの特徴と言うほどでないけれど、テーマやシチュエーションを出す際に匿名である事で余計な心理が働かず皆さんが好きなように書いて提出出来るのが良さだと思ってて。それを出来るだけ活かす為に…

◆劇作オンラインではテーマ&シチュエーションなどは全て小飴さん個人LINE宛に送って貰う事に。

そして、送られてきたテーマとシチュエーションを小飴さんが紙のクジに書き直した上で、参加者の方にこれまで通り選んで貰い決める方式に。

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◆皆さん(※今回は野村含む)からのテーマはこちら

・寿命
・日常
・コントロールしたい

◆シチュエーションはこちら

・病院
・銀行
・職員室

そうして選ばれたのが

テーマ:寿命

シチュエーション:銀行

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この2つが出ると「寿命を取り扱う銀行」を安易だけど想像しちゃうよね。今を取り巻く僕らの事を考えると余計に。コロナも勿論怖いけど、それ以上にこのままいくとコロナに感染する前に飢えて死ぬんじゃなかろうか、から連想する「お金=命」が。世知辛いが命(時間)をお金に変えている。

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最近のイベントでは上演を目標にしてたのでもっぱら5人芝居を想定して考えていたのだけど、このテーマやシチュエーションの提出方法なら男女比も問題なくいつも通り決めれるのが分かったので今回は4人芝居で男女比 2:2に独断で決定。なんだか、今回の力を貸してくれた参加者と僕らと同じ割合で考えたくて。なので次回から5人に戻すかも。かも、だけど。

そして、〇〇なのに〇〇は、銀行なのに〇〇で提出して貰うことに。結果、

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「銀行なのに全国で一つしかない」これはもう寿命取り扱ってる銀行の様にしか思えない。「お金を扱わない」も寿命銀行でしょう。「銀行なのに貧乏」も「銀行なのに雑」も今を取り巻く現状を表せそうで。

その中でも「」が興味深かった。「これいい、これいい」と連呼した記憶あるし、寿命を取り扱う銀行においてして雑であれば、雑と言うか事務的であればあるほど観客の心にくると言えばいいのか。そんな世の中を生かされてる気がしてならぬ今を描くには良いと思われ。

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寿命を取り扱う銀行って世にも奇妙な物語っぽいけれども。

この寿命銀行は世間一般的に知られてるのですかね?を軸にこの舞台の設定の意見を出し合ったりしながら。「誰も(一部しか)知らない銀行」なのか「知っていてもVIP専門な都市伝説的銀行」なのかで変わってきますねとこの回通じて設定が変わるたびに話し合い変わりゆく。

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銀行は寿命(お金)をどう扱い、どうしていくのか。

そしてどうせ寿命銀行を描くならば、観客にとっては当初普通(お金を取り扱う)の銀行に見えて徐々に寿命を取り扱ってる事に気付くのはどうでしょうと。そちらの方が物語にうねりが出そうだし。なんて話をしながら先に進めていく。

そして、寿命が欲しい人ってどんな人なのでしょうと。銀行に訪れる人達の客層、もしくは物語を立ち上げるのに手っ取り早く銀行強盗がこの銀行に来たとして。銀行(寿命)強盗の理由とは。そしてその逆で、寿命を欲しくない人はどんな人でしょうと。

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そして銀行強盗ならば、どんな人物像なのだろうか。折角オンライン立ち上げた理由でもある"今"を投影するのはどうでしょうと。演劇は演説ではダメだと思うけど、今を語る(切り取る)のは演劇の醍醐味の一つでもあると思うので。

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そして"今"とはどんな世界なんでしょうか?と。切り取るなら混沌とした世界の中のどの部分を短編の中に抽出して色濃く出すのか。

銀行強盗を出すならば、男性より女性の方が観たことはないから女性にして。女性の強盗の理由も考えたいですね、と。

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「銀行強盗 女性」で検索したら出てきた。これは女性のマスク付けてる設定のよう。知らんけど。

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4人芝居なので、男女2人の強盗なら枠を出演者枠を取りすぎるから男女の銀行強盗は無しにしたけれども。この男女の銀行強盗案に付いては「タランティーノの〜…」って言うぐらいに留めたけれども。

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「パルプ・フィクション」のオープニング、イカつすぎるほどカッコいいよね。今更だけど。作品は観直す気にはあんまりならないけどこのオープニングはたまに観たくなる。

で、女性の強盗ならばの話で奈々恵さんが「子供の死にそうな為」と言ってくれて。と、するならば先程言ったように物語"冒頭"は観客にとってそこが「普通の銀行」に映れば強盗犯である女性が悪(加害者)であり、行員が正義(被害者)に映るのだけど、物語中盤から銀行が寿命を取り扱っている銀行だと判れば善悪の見え方が変わってくるんじゃないだろうかと。命を必要としてる女性に対して事務的(見え方の角度次第で雑にも見えて/命をモノとして扱う等)に対応すれば観客全員ではないだろうけど景色は変わる気がする。ゆるりとしたグラデーションで。

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少し前後するけど、女性は懇願に近い形で銀行員と話してるのでも、など意見も。太田さんから揉めてるところから物語が立ち上がるのはどうでしょう、なども。

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見え方が変わるってだけで登場人物の価値観は当然変わらないのだけど、観客にとって変われば良いなと。コロナによって180°は言い過ぎでも命やお金の事についての考え方が変わった僕らのように。

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そしてここでも銀行の取り扱いの話が。これは小飴さんのナイスアシストのお陰。プロトタイプと言ってたにも関わらず小飴さんの板書がビデオ通話中にグループLINEに送られてきて、「どう思います?」と聞いたらちゃんと答えてくれて…

「え?小飴さんって劇作オンラインやった事あんの?」なレベル。流石グループ通話経験者頼りになんぜ。そんなの関係なく頼りになるのは前からだけど、ありがとう。

参加してくださったお2人(太田さんや奈々恵さん)もいつも通り、いや少人数だからかいつもにまして積極的に話してきてくれて非常に助かりました。あたふたしてたの僕だけ。次からもっとプロット作りに没入した上に丁寧に語ろうと思います。少し前なら考えられないスタイルだけど、参加してくださった方々も楽しんで貰えるイベントになりそうです。

奈々恵さんも勿論いくつも煌く案を出して下さったのですが、太田さんが「笑えるモノがいい」としきりに言われてたのが印象的。何故か僕はハッとした。翌朝、太田さんから「下ネタになるので個人LINEでお送りしますが、〇〇の部分は〇〇だと面白いかなと思います」とLINEが来ました。終わってからも考えて下さってたのも嬉しいけど、笑える事を考え続けてる太田さんが人として魅力的だなぁと今だからこそ思えた。奈々恵さんも「オンラインなら小飴さんの板書で振り返れて、終わった後も考え続けれて楽しい」と仰ってくれてて、オンラインだからこその楽しみ方があるのは嬉しい誤算。

この後はそんな小飴さんの板書をどうぞ。

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結果、19:00〜21:30まで(途中10分の休憩挟んで)で終了。毎回このぐらい時間は掛かるかもです。

冒頭でもお伝えしましたが、今回は振り返り記事と言うより「こんな流れでオンラインを開催しようと思います」の記事でした。

このオンライン、今後は慣れるまで3名ほどの募集にし、劇作イベント参加経験ある方を中心にお誘いする事になるかも知れません。これは参加者の方がオンラインでもストレスなく楽しんで頂く為ですので、何卒ご了承下さい。

この方式でもこちら(主に野村)が慣れていけば、新規の方も一般募集致しますし、いつでもどこでも携帯一つで繋がれて誰もが演劇に気軽に触れ合えるコンテンツとして続けていければと思います。いや、思いますじゃないですね、願います。

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この時代にこんな事になったのは不幸中の幸いだよ。誤解を招く言い方だけど、オンラインが誰でも手軽に出来る時代に感謝。だけど、いつの日か会議室で実際に面と向かって語り合おう。そして出来たプロットを脚本に起こして上演しよう。

皆、そん時は観に来てな。

さぁはじめよう!!

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「脚本の書き方・基本編」&「演技ときどき演出・基本編」はこちら

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「脚本の書き方・実践編①」はこちら

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◆劇作イベントとは◆

野村有志(オパンポン創造社)が2019年10月より不定期に開催している、一般応募で集まった参加者とともに戯曲プロットを作るサロン型イベント。アシスタント・要小飴 。
過去14回の開催でのべ72名が参加(計18本/毎回1本以上のプロットが完成)。2020年からは、完成したプロットの中から実際に戯曲化し、一般応募の参加者と稽古する「劇作試演」、その試演を経て劇場公演を行う「劇作演戯」という取り組みを開始している。現在の目標はこれまでに出来た作品が一堂に会する「劇作万博」開催。※2020年4月より劇作オンライン開始予定。

劇作イベントTwitter

野村有志(オパンポン創造社) 劇作家/演出家/俳優

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1人演劇ユニット・オパンポン創造社、主宰。
全作品の脚本・演出を野村が務め、ペーソスと笑いを融合させ泥臭い人間模様を描くのを得意とし、独自のテンポと間を駆使した台詞で魅せる作品が支持されている。「CoRich舞台芸術まつり!2018春グランプリ」等受賞歴多数。俳優としても精力的に活動中。

※写真は、絵に虎が増えたよイイでしょーの意。

◆Twitter
野村有志(個人)
オパンポン創造社

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