船の上で書いた手紙
ここからは難破船である
トイレットペーパーの芯を!
トイレットペーパーの芯を!
もうそれくらいにしときなよ…ほら、鯨の歌だよ
…そういってリンドバーグは帰らぬ人となった。
だから今日も、トイレットペーパーの芯を食べる
そんな僕の歌を聴いてください。
「街ブラリポート開始!こちらはすべての間を吹き抜けてきたかのような疲れ切った風が吹いています!」
「こちら高円寺チーム!こちらにはさっきまで花が咲いていた」
「あ!今そちらに風が向かわれたようです!ヘドを吐いていました!」
「了解です!迎撃態勢を崩すな」
「穿て」
明るすぎる布団の中は、もうそれはそれは夜で
深くなる 左の手のひら それをなぞって
だから君も、朝ご飯を写真に撮るのをやめて
こっちに来て、ここからなら、あの飛行機雲
が 見える いま あの向こうの山
を 通って 海に向いている 白い 爪でひっかいた
跡
みたいな それをなぞって
「時間、大丈夫?わたしは別にいいけど」
言い訳がましく◯◯はそう言う。いつも何かを持ちたがらない彼女は、今日も正しいふりをしていたいようだ。所有する気がない癖に、何もない事には耐えられないのは私とよく似ている。
「いやいいよ、それより昨日はごめんね、わたしの」
「気にしてない、こっちのミスでもあるし、わざわざ言わなくたってそんな」
◯◯はいつも急いでいる。焦らなくてもミニストップのフロートは失くならないということをいつも忘れている。忘れているのはわたしも同じなので、
「あーそう?じゃあいっか、もうちょっと居るわ」
「うん、なんか買ってこようか?」
ミニストップのフロートはまだ発売されていない。
そこかしこに転がる子供たち
あれから10年が経った
これからは機械音声でいこうと思う
アイドルに生まれ変わった
島に帰るのはいつになるんだろうか
目が青いトンボの赤ちゃん
初めから 分かっていたように 思って いたかった
カニ 食べにくい ウナギ 骨が多いやつ 痛
amenootogakikoenakunattekitane@so.s
第二話『トンボの腹を見たことはあるか』
《なんで》《なんで》《なんでやねんねん》
《なんで》《なんで》《なんでやねんねん》
《また同じ話かよ》
…それからというもの、夏は一切合切をやめました
…彼にはもうたくさんだったのでした
《なんでやねんねんねん》《なんでなんで》
《なんでだよ》
トムとジェリーのジョニー
桜の花を食べることでしか生きられないキショい昆虫
いつも愛の浅瀬にいる役立たずのサブマリン
朝はシリアルしか食べられない繊細なヒグマ
あー!はやくはやく【どうもこんにちは】
はやくしてって!ほら!【はじめましてごきげんよう】
なに!?もういいからきて【いい天気ですね今日は】
もーー!はやくしてよ!【鳥も飛んでいますね】
ねー!!はやく!ねえって!【あれは綺麗な鳥だ】
では、撃ち落としますね【ほらもうおそいよ】
よく狙ってくださいね【はやさがたりなかったね】
撃墜【転落】
⚫︎よく分からん言葉 メモ
ルサンチマン、 イデオロギー、メメントモリ、
カタルシス
または 、 ラブリー・コンビネーション
…(メモはここで途切れている)…
⚫︎メモ 2
助けてくれ
…(メモはここまでしか見せられない)…
⚫︎メモ 14
朝ご飯に食べるシリアルはやっぱうめーな〜
麦わらのルフィ
…(ここからは丁寧に切り取られている)…
…(丁寧丁寧丁寧に)…
…(歌うと)…
…(決めてたよね〜)…
船の上で書かれた手紙はとても読めたものじゃなかった
情緒がなってなくて文体も定まらない、変な言葉たち
なにより字が汚い
千羽鶴の中の一羽だけ、ラブレターで折られている
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