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些細なこと

中学高時代鉄道研究部に入っていた時期があり、八高線旧車両引退式の写真を撮りにいこうと八王子に部員数名と遊びに出かけた日があった。
写真も撮り終えお腹空いてきたしなんか食ってこうぜとなり、
A君が「こたけばやしにしようよ」と言いだした。
皆一瞬わからず
「ん、なんて」となり
A「蕎麦だよ」
「ん」
みたいなかんじになった

まあいいやとA君についていくと
その店は当時JRが駅ナカで展開していた
「小竹林」という立ち食い蕎麦屋のことで、
すかさずB君が
B「これしょうちくりんて読むんだよ」
A 「そうなの」
B「いやばかじゃないの」
A (真顔)
B「こんなのも読めないの」
B「下に書いてあんじゃん」

そんなやりとりがありA君は黙ってしまい店にも入らず結局その日は解散してしまった。

まあ特段なんでもない一コマなんだけど、その時のA君の所在なさげな佇まいがずっと記憶の隅に残っている。

条件反射やパフォーマンスでの恥じらいは多々みるけど、本気の恥ずかしさから塞ぎこんでしまうに至る人を目の当たりにするのは案外生きていて何度も遭遇できないものだったのかもしれない。
多感で成長途中の時期の男子の受け身の脆さに自分の感情が反応して覚えてるのか、なんなんだかはよくわからないけど。

わかりやすい喜怒哀楽や、知識、欲望等に付随するものから少し外れた
すぐ忘れてもいいようなほんの些細なことが記憶の中に残ってたりするとなんか嬉しい。
俺のCPUやるじゃんて思う。


#記憶 #小竹林 #八王子 #八高線  

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