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【番楽舞】民俗芸能の伝承をネットに託す。ネットの中に伝播する。

 とにかく、伝える人、伝える先がないのです。
 もう、インターネットの中に放り込むしかない!今はそれしか思いつきません。


「番楽って何?」情報をまとめる必要性

 私は現在55歳になります。故郷の番楽を踊り始めたのは小学生の頃でした。高校を卒業し、一旦は地元を離れ、10年後に秋田に戻りました。そして、再び故郷の番楽に取り組むようになったのです。

 この時にはもう既に人手不足、高齢化が進んでいたこともあり、何とかこの芸能の魅力を地域の人々に伝えたい思い、色々と調べ始めたのでした。それまで、故郷で昔から踊られている芸能であるということしか知識がありませんでしたので、自分で調べ始めて、初めて、番楽という芸能が北東北の多くの地域で行われている芸能であることを知ったのです。その事実を知った時は衝撃的でした。それまで唯一無二だと思っていましたので…。世間知らずでした。

 約25年間、「番楽とは何か?」ということについて、様々な角度から調べ、考えてきました。民俗芸能を研究されている方が沢山いること、色々な考察があることを知りました。特に参考となったのは故・本田安次氏の著書「山伏神楽・番楽」です。今では私のバイブルとなっています。本田氏の探究姿勢とその言葉に突き動かされてきた25年と言っても過言ではありません。


本田安次著「山伏神楽・番楽」にみる”富根の番楽”

 富根の番楽を調べるにあたって、第一に参考としたのが「山伏神楽・番楽」でした。どこでこの著書を見つけたのかと言えば、劇団わらび座のある”たざわこ芸術村(現:あきた芸術村)”でした。
 なぜ、そこに行ったのかと言えば、稽古場に併設された図書館のような場所に様々な民俗芸能の映像が貯蔵されているということで、富根の番楽もあるのではと探しに行ったのでした。確か”小向さん”という方が対応してくれました。
 結局、富根の番楽の映像は見つけることができませんでしたが「山伏神楽・番楽」という今ではバイブルとなる本を見つけたのでした。本の中に昭和初期の富根の番楽を発見したのです。
 その本をお借りし、全てに目を通し、同じような芸能が東北各地にあることを知りました。ショックでした…何も知らなかったことに。「なんだ、どこにでもある芸能じゃん!」と。踊ることにちょっとした特別感、優越感を感じていたので、そうした心境も萎えて、最初は正直、ショックでした。

やがて歴史の雲の彼方に昇華し去ろうとしている

 しかし、何度も著書を読み返していくうちに、本田氏の思い、熱い情熱に、私なりに何とかして応えたいと思いながらの25年でした。
 本田氏は出版にあたっての”序”で次のように言っています。
『今や大方の生活様式の幾部面は、国の総力を以て戦いつつあるこの大東亜戦争をきっかけとして、旧習になずむ奥羽に於いても、代がわりを待たずに革新されようとしている。今日我々が推量する以上にも実は広大であったらしいその使命をようやく果たして、この芸能も、やがて歴史の雲の彼方に昇華し去ろうとしている』

そして、今、思っているのです。
雲の彼方に消え去る前に、ネットに放り込んでおこう!
そこでChatGPTさんの出番です!
番楽に関する情報をChatGPTさんに知っておいてもらうのです!
そして、語り部になってもらうのです!

つづく…


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