夜明け (のおまけ。)
前に書いた「夜明け」という話のおまけの話です。ドラマ「最愛」の梨央大輝のアナザーストーリーです。完全なる妄想です。
「うう〜さぶっ!もう我慢できん、寒すぎる、部屋戻ろ。」 「大ちゃん半袖なんやもん 笑 美味しいスープがあるから温めて一緒に食べよ」 「いいの?」 部屋に入って、梨央が鍋に火をかける。 大輝は梨央のストールに包まりながら、ソファーから梨央がキッチンに立つ様子を見ている。 思わず頬が緩む。
「大ちゃん、朝ごはん出来たよ〜。そっち持ってって。」 「ほい。」 二人でいただきます、と言って朝食をとる。 「うーまっ!!これ梨央が作ったの?すげーうまい。あったまるぅー。」 「優に教えてもらったんやよ、このスープ。」 「さすがやなぁ。優。」 スープと一緒に焼いたパンもある。大輝はガツガツとパンも頬張ると 「なに、このうめーパン!梨央こんな美味いもの毎日食っとるんか?」 「毎日やないよ〜。これは加瀬さんにもらったの。加瀬さん美味しいものいっぱい知っとるんやお?」 「…あの番犬め…」 梨央が笑う。 「あ!そういえば、加瀬さんといえばさぁ!こないだ、優が一人暮らし始めたお祝いしてよ、って言うから優の部屋に行ったんやて。そしたら、加瀬さんもおってさ…。俺、すぐ帰ろうとしたら、優がどうしても飯を食ってけってうるさいで、仕方なく、何故か加瀬さんと三人で飯、食ったんやて。」 「え⁉︎ 嘘でしょ笑 なにその男三人!笑 」 「加瀬さんて、意外とよく喋るんやな?いきなりなんの話始めたと思う?土偶!!土偶の話し始めてさ!!ずっと土偶の話、しとった笑」 梨央爆笑。 「加瀬さん、縄文時代に詳しいの。好きみたい、そういうの。」 「面白い人やな。」 「うん、面白い人やお。」 「優も凄い加瀬さんのこと好きそうやったわ。なんか達雄さんとおる時の優、思い出してまった。」 ふふふ。梨央が嬉しそうに笑う。 「優が治験に受けようって思ってくれたのも、これからのこと考えて勉強始めたのも、加瀬さんが言葉かけてくれたからや。本当うちらのお兄ちゃんみたいな人。もしかしたらお父さんみたいな人かもしれんわ。」 「くそぉ…番犬め…。」 「大ちゃんと加瀬さんが仲良くなれて良かったわ。」 「別に仲良くなったわけやないしな?」
そんなことを話ながら、一緒に朝食をとっている間に朝日はすっかり白色になり、部屋に眩しく差し込み、外では鳥が鳴いていた。 明るい二人の一日が始まる。
(終わり)
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