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3.失意の肉体

言葉というものは時にひどく直接的である。それでいて瞬時に到達してしまう。
私たちは言葉を持って確かめ合うことを常に望んでいる。しかし一方でそれをひどく恐れている。それはただ発し、受け取るときではない。言い表せられない感覚というものへ行き着くことができないことを恐れているのだ。
そこへ到達できない。そこを目指すときの恐怖を暗に知っているんだろう。私たちは群れ、埋もれることでしかやはり生きられないのである。
そして時に強烈な感覚を求めて身体へと向かう。その先を塞ぐのはとてつもなく巨大な壁と虚無感に覆われた達成感である。また、生活に戻るのである。

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