見出し画像

美味しいものを作り続ける意欲

好きなお店がある日、調理人が変わっていて、材料も作り方も一緒なのに何だか味や食感も変わっていて寂しくなる時はないでしょうか

移動販売を始めたばかりの頃は色々な事に必死で美味しいものを作るという意欲がまだ本当のMAXではないかも知れません。
たくさんのお客様と関わっていくうちに「ガッカリさせたくない」とか「誰かに紹介してくれたお客様に恥かかせたくない」とかの感情が芽生えてきて自分の作るものに意欲がプラスされていくのではないでしょうか。
コンビニのスイーツがとても凝っていて美味しそうで安くて、敵わないと萎縮したり、近所のカフェが驚くほどの美味しいスイーツを利益度外視で提供していて敵わないと萎縮したり、、そんな時が度々あります。
けれどもお客様は自分が作るクレープに何かの幸せを感じて来てくれます。その何かは一人一人違っていて推し量る事は出来ないから一つ一つを丁寧に、作る度の最高を目指して工夫を重ねて、まさにガッカリさせたくないという一心で作り続ける。私に主張したいプライドはありませんが、気持ちの中にはお客様をガッカリさせたくないというプライドのような闘志はあります。

高い値段がプライドではありません。プライドでレシピを決めた結果、値段が高くなってしまうのです。
けれども、こだわりは独りよがりでは要らないプライドです。自分のプライドに付いて来るお客様だけいればいいというプライドもありですが、そこは柔軟に曲がるプライドで居れる女性の強みでこの自然卵のクレープの仲間になってくれる皆様には、しなやかに華麗に曲げて欲しい部分です。
自分を守る為のプライドを主張するのではなく、うちに秘めたあなたに芽生えた誰かをあたたかくする為のプライドを大切に、作り続けて欲しいと思います。
その気持ちさえあれば、あなたからお客様が離れて行く事はありません。そして、幸せを感じてくれたお客様がお客様を呼んでくれます。
最初に来てくれたお客様はあなたの必死や一生懸命を見て、ちゃんと成長を待ってくれますよ。一緒にどんどん美味しくなっていくあなたのクレープを楽しみに成長を見守ってくれます。だから、その日その時の最高を目指して作って欲しいです。

好きなお店の新しい調理人さんは度々客席を眺めたり帰って行くお客様を見ていたりします。満足度や幸福感を見ているのだと思います。
もしかしたら新しい調理人さんも今プライドがムクムクと大きくなっているのかなぁと思ってその目を眺めていると、その人なりの美味しさへの努力の結果が楽しみになって、やっぱりまた行きたくなります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?