見出し画像

【図説】第18回ショパンコンクール2021の結果を読み解く(1)ファイナリストはいかにして決まったか

コロナで延期となりながらも第18回ショパンコンクールは2021年10月無事開催され、反田恭平さんの2位入賞、2回連続ファイナリストの快挙をなした小林愛実さんの4位入賞と、日本人の上位入賞が出て日本でも大いに盛り上がった。
youtuber“Cateen かてぃん”として人気を博している角野隼斗さんのセミファイナル進出の健闘も話題を呼んだ。

画像28

しかしながら幼いころから注目を集めた牛田智大さんをはじめ、惜しまれつつも涙をのんだコンテスタントも数多くいた。

第18回は病に倒れたネルソン・フレイレ(2021年10月31日没・合掌)の辞退とそれに伴うための大会の顔であったマルタ・アルゲリッチの不参加、2015年をもってリタイアしたヤシンスキ、そしてフーツォンも今年の3月にコロナでこの世を去るなど変化を感じた年でもあった。

全てのコンテスタントを聴いた感想として、枠が足りないとは思わなかったが、しかし通過者リストは常に定員を上回り、優柔不断さを感じる審査には疑問を感じた。
ファイナリストは12名にも膨れ上がり、最終的な入賞者は8人、多すぎる。

さて現地11月4日に1次から3次までの採点表が公開された。

分析しようにも見づらかったため、データ化することにした。
まずは人数の少ない3次の結果から紐解いていこうと思ったのだが、これが思ったより大変だったので、順序は逆になるが3次の内容をまとめた。

3次予選 ファイナリストはなぜ12人に増えたか

まずこれが3次予選の通過者リスト、ファイナリスト12名の採点表だ。
定員10名から12名に膨れ上がったのはなぜか?誰をねじこんだ?多くの人が抱いた疑問だろう。

~おしらせ~
以下は3次予選の採点表を採点をデータベース化し、27枚の図表を作成しまとめたものです。コンテスタントの音楽性について語ったり、採点がふさわしかったどうかを議論している所はほとんどありません。完全にマニアックなデータ分析です。

話題は3次予選中心ですが、3次から採点表を見たため、審査員の審査傾向など比較的丁寧に言及もしています。(1,2次の執筆は未定ですがそちらでは省略する部分もあるということです)

万人向けではない事、また誰もが知るべきとは思っていないこと、興味のある方にだけじっくり読んでいただきたいとの思いで、図表転載防止の観点からも有料とさせていただきます。分析と言っても自分が読み取りやすいよう色を付けたりして客観的な気付きを書いた1万字の駄文です。図表に興味があり自分でも分析したい方向けになります。

※以下は有料記事となりますm(__)m※

ここから先は

13,710字 / 28画像

¥ 400

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?