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デフレからインフレへ?

重要なことなので、某所でのやりとりから僕のコメントを貼っていきます。

(前略)僕は日本でリフレ理論が受け入れられていく過程をずっと見てきました。
アカデミズムの中での話なので、2000年前後だったでしょうか。

田中秀臣さんが主導し、松尾匡さんも途中から加わってきました。

リフレ理論は海外で先行していた議論です。

そして、その後に欧米各国がリフレ政策を採用する際には、必ずケインズの「有効需要」の理論に従ってきたのを観察してもきました。

ごく簡単に言えば、需要不足が発生したならば、政府の支出で不足分を補うが、それ以上の需要喚起はしないというものです。

リフレ政策であっても、この理論が強い影響を政策当局に与えてきたのです。

だから、新型コロナに対応するための厳格なロックダウンに伴ってやらなければならなかった市場への大規模な貨幣供給も、いつまでもすべきではないという認識が根底にあるとすべきなのです。

欧州を中心に、ロックダウンから行動規制解除の動きが急になっていましたが、ワクチンが行き渡ったというよりも、むしろ政府支出を抑えたい思惑を僕は感じました。

新型コロナがまたパンデミックを引き起こした際に、必要な政府支出を出動させるためにも引き際は重要です。

ましてや東南アジアを中心にコロナ禍がおさまらず、世界的なインフレが基調として見えてきていますから、この判断はまっとうといえばその通りです。

話を変えます。

東京オリンピックでの広告出稿取りやめに始まり、トヨタ自動車と日本政府にギクシャクした関係が続いています。

企業、ましてやトヨタ自動車は生き残ることを社是として掲げるほど危機管理には力を入れてきました。
「いつ潰れるかわからない」という危機感はかねてより社内で共有されています。

日本政府はあまりに国際的な経済情勢に対し無頓着なので、トヨタはいい加減にしてくれと言いたいのです。

日本にあり原発関連に依存しない巨大製造業は、もはやトヨタ自動車しかありません。

その意味で、政府に対しものが言える企業はここだけですし、彼らはなにより自ら生き残るために無能な政府に付き合うことは避けたい。

そのトヨタ自動車が国内工場を閉じて減産を続けている。

理由は先述したように新型コロナのデルタ株で東南アジアの工場が閉じられて、部品や部材が届かないからです。

ここに大きな意味を感じ、その理由を考えねばならない時がまさに今なのですよ。

ぜひGoogle検索で、 コロナ 値上げ で検索してみてください。

スーパーで高いな…と感じる以上のインフレ基調が来ていることが報道されています。

日本の貧困層対策は確かに重要です。

しかし、安い牛丼や100均ショップに代表される、デフレ経済下だったからこそありふれていた光景に救われていたというのも事実です。

そこを踏まえると、物価の傾向が変わりつつあることが大きな問題だとすぐに理解できることでしょう。

反緊縮などという寝言はコロナ以前の化石でしかありません。

追記

昨日(2021/09/24)の西村経済再生相の会見で、ようやくグローバルな供給ショックへの言及がありました。

しかし、総選挙があり首班指名後に組閣が終了する12月半ば過ぎに手を打つとしても、遅すぎる。

デルタ株が健在という状況下で迎える冬のコロナ禍も、今まで経験したことのないものになる可能性がある。

こちらにも対しても、なんの対策もありません。

臨時国会を開いておくべき最後の機会を、巨大与党のトップを決める争いに費やしている。

僕の想定は最悪のものではありますが、ハズれたとしても今は文句は出ないはずなんですが…

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