原点は、障害のある子を持つ母たちのため
きのうは、なぜお店をやめて、おおきな木を立ち上げたのかをnoteに書きました。
なぜ、おおきな木を立ち上げたのかの理由は、きのうのnoteにシェアした子どもたちとの出会いがあったからで、なんのためにというと、その子どもたちのお母さんたちのために、何かしなくてはならないと思ったからなのです。
障害のある子が生まれた時、または障害がわかった時に、まず思い浮かぶのが『暗いイメージ』。この子の将来が明るいものに思えないといわれています。それは、いわゆる『福祉』がつくる、悪いイメージ。
一般的にも『福祉』というと、かわいそう、悲壮感あふれる空気が流れる・
それはどこからくるイメージなのだろうかと考えると、案外、福祉施設の外観や、利用者の皆さんや職員の雰囲気、そして、バザーで売られている商品、それしか接点がないはずと思うとそこではないかと推測しました。
商品が魅力的になり、バザーのブースがステキになり、横に立つスタッフやメンバーが華やかで楽しそうだったら、『福祉』のイメージは変わるだろう。そして、障害のある子を持つ親御さんの気持ちは軽くなるだろう。そう思って、今まで福祉事業所のブランディングや商品の企画とブラッシュアップを行ってきました。
そして、ここ最近、同世代以下の若い障害のある子を持つお母さんたちがどんどん私の周りに集まってきています。
みなさん、その暗いイメージ作業所などに自分の子どもを送り込みたくないという方ばかりです。
ないならつくる!の勢いで、子どもが小さいうちから、いろんな情報を集めては、何ができるか模索しています。
昔と違って、情報も全国、全世界から得られるので、福祉職員さん以上に外の情報、いろんなことを知っていたりします。そして、近くにあるところに行けるだけでありがたいというよりは、遠くても自分の子に合う場所を探している親御さんもいます。
福祉事業所は、障害者理解啓発をしなくてはならないというのがミッションにあります。
それをストレートに、啓発セミナーをやっても、本当に理解してほしい人は来ません。
自分事に引き込んで、興味を向けてもらわないと、理解するという入り口に立てません。入り口に立っても、理解するということは本質的には難しいのかもしれません。
それでも、面白い、楽しい、なんかワクワクするなあという感覚から、気持ちが向くものだと思います。
そのためにも、バザー品ではなく、商品でなければならず、それが、障害のある人たちの尊厳を守ることにも、障害者理解にもつなぎます。
ただかっこいい、かわいいからではなくて、福祉のミッション、理念の浸透根幹からして、広義の意味でのデザインを入れることはやるべきことなのです。
福祉の自主生産品から、商品に引き上げるプロセスには、ある一定の線を越えるために、様々なハードルがあります。
そして、モノが売れないモノ余り時代において、モノを選んでもらうためにやるべきことがまたあります。
その長い道のりを越えてでも、到達することができると、障害のある人も、職員さんも誇りを持てるし、やっぱり親御さんたちもうれしい。
単純な話ですが、自分たちがつくった自慢の商品を、誰かに贈りものとして贈れるということはすごいことなのです。
その循環するところまで見通せて、挑戦してみようとなる福祉関係の人はなかなかいません。そう思っていても、日々の支援活動がシビアなものなので、目の前のことに追われて、組織の中でコンセンサスを得て、コトを興そうという力がでません。
そこを私が言語化して、ビジョンを見せて、引っ張っていってできたモノが多いかもしれません。それが一番の私の役割です。
私も、相当なパワーを要して関わってきました。福祉だから、そこそこでいいんだというその線引きの高さ低さの感覚の違いに。
ここまで力を出してこれたのも、原点はお母さんたちの存在があったからです。これからはお母さんたちの後押しをしていくフェーズに入ってきました。
この状況下、私にとってはこのオンラインショップが1つのアーカイブです。
また、今後、新たな関わり方で、少しずつこのサイトに、新たなモノやブランドが増えていくことを意図して、粛々とこの場を楽しんでいきたいと考えています。
photo by Hisako Kawamura
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