福祉のモノづくりの魅力
福祉の現場でのモノづくりの何が面白いのかというと、まずは大量生産ではないからというのが一番に上がる理由です。
福祉の作業所などでは、手がかかる仕事が好まれます。一般的には、手のかからない、効率の良い仕事が好まれます。コストが下がるからです。人件費がかかると、その分商品代金をあげざるを得ません。
作業所に通う人たちは、天才的に器用な人もいれば、お話はすごく上手だけど、細かい作業は全くできなかったりと、できることの幅がそれぞれです。
作業の速度もそれぞれなので、職員さんたちは目も気も配ってマネージメントします。
そして、手が余ってしまうことが一番困ってしまうことなので、効率が悪くても、適度にいつも仕事があることを望みます。手が余ってしまっても、新しいことをするのはなかなか大変なので、ずっとやり続けられる作業を提供したいと考えています。
そこで、手間のかかる作業+表現活動が面白い商品を生み出しています。
〇ソーイング
そんな中で、オリジナルの商品づくりをする際に、手の込んだもの、手間のかかることの仕事として、針仕事があります。
大量生産ではまず全くできない、大きな流通の中では実現しないモノづくりが、レア面白く、1点しかないものにはとても魅力があります。まず、世界中探しても1つとして同じものがないのですから。
そして、考えもつかない模様や色など、固定観念をぶち壊すような面白さがあります。
どれもなんとも言えない味わいがあり、全部違うので選ぶ楽しさがあります。
つくってる本人も自分のこだわり、表現したいことを表現できる喜びがあるはずです。それがお客さんとうまくチューニングできると、ハッピー。
つくる幸せが、選ぶ幸せ、使う幸せにつながります。
かわいそうな人で、してもらうばかりの人ではなく、人を幸せにすることができる人になれます。
それをプロデュースするのが福祉の支援員のミッションだと私は思います。
〇ドローイング、ペインティング
そして、障害のある人たちの絵はまた、とても面白い。
幼い子供が描いた絵みたい、という視点じゃなく、もしそうであっても、それが本当のイラストレーターさんが描いたものだとしたら、それはあえて書いている作品です。
その表現が面白くて、人の目に留まるものだったり、心動かすものであれば、面白がって、社会につなぐことがあっていいと思います。
いわゆる立派な額縁に入るものが絶対いいというわけでもなく、どこかで評価されることだけが目的となってしまうことはとても貧しい感覚ではないかと。
そして、それがイラストとして採用され、商品としてデザインされることから、また新たな可能性、コミュニケーションが生まれます。
描いた本人も描き続けることで、気持ちが変化したり、誰かにいいねと言われることで、自信が持てたりする、そのプロセスにも、福祉の現場では大きな意味があります。
福祉のモノづくりの魅力まとめ
・1点ものの価値
・表現の面白さ
・作家性
・根底にあるモチベーション
もう少しありそうですが、ざっと上げるとこんなところでしょうか。
1点ものの流通はなかなか通常難しいということもあって、基本的には対面販売のイベント販売が一番の売り先になっています。今は、しれができないので、こうしてオンラインショップをはじめました。
最初は私がプロデュースに関わったモノだけに絞っていますが、これから新たに何かしら行きのかかったモノをこのショップで扱っていきたいと考えています。
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これからの社会の中で求められるのはきっと柔軟性。
しなやかな感性が必要です。そのためにも、心動かす、アートが絶対に社会の根底にあるべきです。
それが、福祉の世界との親和性があり、今後の未来に向けて、大きなヒントを与えていける場や人になりえると思います。
そんなことを知ってもらえるためにも、いい商品づくりがこれからますます増えることを意図して、このサイトを成熟させていきたいと考えています。
phpto by Hisako Kawamura
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