銭湯の話(月ノ座ワークショップ第2回課題)
時々銭湯に行く。銭湯に行くと本当は身体というものは一人ひとり異なるかたちをしていることを思い出す。普段目にするのは芸能人、インフルエンサー、洋服店のマネキンなどの「理想的な」画一的な身体だから、当たり前の事実を忘れてしまう。私の身体だけが歪な気がして、四六時中劣等感に苛まれている。
銭湯に蠢く身体たちはそんな思い込みの呪いを、束の間解いてくれる。それぞれの生き方があるのと同じでそれぞれのかたちがある。それだけのことなのだった。
食べることは生きることなのに、いつから食べるという行為に罪悪感や恐れを抱くようになったのだろう。そんなことを考えながら湯上がりにアイスクリームを食べた。