【ネタバレ有り】『竜とそばかすの姫』しのぶくんだけがすずを

※映画本編のネタバレを含みます。未鑑賞の方はどうかこの先を読まないでください。

※『竜とそばかすの姫』が好きすぎておかしくなったおじさんの戯れ事です。




しのぶくんだけが最後まですずを現実世界で支えていた

『竜とそばかすの姫』大好きです。好きすぎて映画館で3回観ました。こんなにハマった作品はなかなかありません。

で、3回目でとうとつに気づいたんですよ。

あの作品の中で、しのぶくんが<U>にアクセスしている描写がないんです。しのぶくんのAsがなんなのかも不明。初回鑑賞時は、たぶん誰もが「竜はしのぶくんかも」と正体候補にいれたのではないでしょうか。それもじっさいには違ったので、やはり多くの人が「じゃあ、しのぶくんはなんのためにいるの?」と思ったかもしれません。ぼくも初回はそうでした。エンドロールで現実のキャラクターとそれに対応するAsが順番に出てくるのですが、しのぶくんだけAsがないんです。あのカミシンにもAsはあったのに! なぜしのぶくんのAsはないの!? 

単純な考察としては「しのぶくんはアカウントをもっていないから」なんでしょうが、それにしても、なんで? 流行に乗らないタイプ?

終盤の廃校でのシーン。あの場にいたヒロちゃんはもちろん、合唱隊もカミシンとルカちゃんもデバイスを装着しているんです。アンベイルされたすずを〈U〉の世界で応援しているのだから当然です。ところが、しのぶくんはデバイスを装着していない! 3回目の鑑賞で確認しました。

つまり、あの場で「しのぶくんだけが現実世界ですずを見守っていた」のです。

思い出してみましょう。6歳のとき、戻ってこないお母さんを追いかけて川に向かおうとするすずの手をつかんでひきとめたのはしのぶくんです。周りの大人は誰もすずを気にかけていないのに。(あのときすずのお父さんがどうしていたのかは不明)

しのぶくんは、うっかりするとどこかへ行ってしまいそうなすずを常に現実へひきとめているんです。

廃校でのシーンでも、映画館の観客も含め全員が〈U〉の世界で歌うすずを応援していたのに、しのぶくんだけがひとり、現実世界ですずを見守っていたんですよ! 熱いよ! すごいよ! かっこいいよしのぶくん! というか、表現がストイックすぎね? (たんに流行に疎い残念系イケメンという設定だったらどうしよ……)

3回目にしてやっとしのぶくんが超重要な人物とわかりまして、やっぱりこの『竜とそばかすの姫』は奥深いなと。

4回目を観るのも楽しみです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?