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萩尾さんと田村由美さんの対談

今月号の「flowers」10月号が先日発売されて、萩尾さんと田村由美さんの対談を読んだのですが、私がここでネタにできるような内容は語られませんでした

とにかく田村さんが萩尾さんのことを褒めまくり、それは予想通りだったのですが、萩尾さんですら「いやぁ、すごいな~。こんなに良く言って下さって、ありがとうございます。私のお葬式ではこのテープを流してください(笑)。いや、半分くらいあなたの妄想ではと思いつつ…(笑)」「せっかくの40周年企画なのに、私の話ばかりでいいのかしら(笑)」「あなたの40周年の話なのに、すぐに私の話に(笑)」などと言ってしまうほどでした。
その割には「スターレッド」をほとんど考えてない状態で始めた話とか、新「ポーの一族」を始めたいきさつとか、萩尾ウォッチャーにとっては今更な話題も多くて……
でも、いかに連載中にストーリーの辻褄を合わせていくかという話は面白かったです。あと、ユリスモールが萩尾さんの家では「むっつりスケベ」って言われている話も、あまりに当然すぎてかえって意外でした

萩尾さんは田村由美さんの「BASARA」を読んでいたけれど(読んでたんですね!)、人物の名前を覚えられないことの言い訳を語ってて、これは、過去の萩尾さんの「更紗という主人公の漫画を知らない」発言を重くみた城さんから、対談でそう語るように指示されたのでは?などと勘繰っちゃいました。それと、萩尾さんは「ミステリと言う勿れ」の整くんがお好きなようでした

ということで、とくに書くことがないのですが、両者とも猫の漫画を描いているので、猫漫画ネタを無理矢理書くことにします。
実は「新『ポーの一族』と人間の愛その3」もあまりにも書くネタがないから、しょうがなく次号の対談相手の田村由美さんの話を書いたのですが、なぜか、その3のほうがその2より、1.5倍ほど多く読まれてるんです。noteって本当にわからない……

私はいずれ猫を飼いたいと思ってはいるのですが、猫についてそれほど知っているわけでもなく、youtubeで猫動画を見るくらいでしょうか?
ここで、萩尾さんと田村由美さんの猫の擬人化漫画を比較する気もなければ、出来もしないので、ただの紹介ということで……

猫の擬人化漫画と言えば、真っ先に「綿の国星」が思い浮かぶのですが、萩尾さんの「レオくん」はそんな真っ当なものじゃなく、とにかくぶっとんでます。今まで多くの萩尾漫画を読んできましたが、これが読後に一番「ナンダコレ?」度が高かったかな

まさに、やまなし落ちなし意味なしという漫画で、あるエピソードでは、レオくん(オス猫)が人間の女性とお見合いをするんですが、相手の女性が子どもを欲しがっていて、レオくんに何人子どもが欲しいかを尋ねるんですよ。すると、レオくんは「ぼく、去勢してるんです」って答えるんです……

萩尾さんの一風変わったユーモア感覚を味わえる漫画ですが、こんな調子なので、5chの萩尾望都スレでさえ、評価が真っ二つに分かれてました。私には理解不能で評価不能と言わざるを得ない漫画ですが、もしかして森博嗣さんなら激賞するのでしょうか?

一方、田村由美さんは「猫mix幻奇譚とらじ」という、読者にタイトルを覚えてもらう気がなさそうな漫画を描いてます。妙な設定のファンタジーなのですが、飼い主に対するとらじのせつない想いに、心を揺さぶられる作品で、おそらく、ここを描きたいからこんなヘンなファンタジーにしたのでしょう

田村由美さんは、かなり前の「flowers」のインタビューで、「はみだしっ子」(三原順)をバイブルとして挙げていて、そのインタビューは「flowers」のサイトで今でも読めるのですが、「猫mix幻奇譚とらじ」でもとくに「はみだしっ子」の中の「奴らが消えた夜」に影響を受けているのが伺えます。

「猫mix幻奇譚とらじ」は愛すること愛されることに伴う淋しさを、子猫の心を通して、読者に柔らかく訴えかける漫画なのです

まだ連載中で、「ミステリと言う勿れ」と同時進行なので、いつ終わるのか見当もつきませんが、田村由美作品の中で「猫mix幻奇譚とらじ」が一番好きだと言う人はけっこう多いようなので、連載が終わったら読んでみることをおすすめします

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