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家族のカタチ

先日、仕事中心の生活をされている方(既婚男性)から、「家族と一緒に夕食を食べるのは年に数回程度。たまに早く家に帰ると、家族が嫌がる。」という話を聞いた。一方で、「子どもが小さい頃から、子どもとの時間は意識して作ってきた。子どもが社会人になった今も、一緒に映画を観に行ったり、外食したりしている。」という方(既婚男性)もおり、価値観や生き方によって、男性目線で見ても、家族のカタチは様々なんだなと思った。

さて、以前見た調査結果で気になったのは、「子持ち女性の幸福度の低さ」。中でも、働いている、子持ち女性の幸福度がダントツで低い。

「子どものいる女性のほうが、幸福度が低い」少子化が加速するシンプルな理由 | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン)

そして、夫婦関係に不満のある既婚女性の幸福度は圧倒的に低い。

「未婚より既婚女性のほうが幸せのウソ」既婚女性に広がる幸福度格差 平均値では見えない結婚と幸せ  | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

この二つの結果を組み合わせると、「子持ち家庭において、夫に不満を抱く妻の割合が高いから、子持ち女性の幸福度が低くなるのではないか?」という仮説が立てられ、実際、「家事や子育ての負担が大きく、仕事との両立が大変。夫は助けてくれない。」といった不満を、既婚女性から聞くこともある。(私自身、平日はワンオペなので、仕事で疲れている時や体調不良の時は、旦那への不満が強くなってしまいがちです・・・)

ただ、冷静にこの状況を考えてみると、以前noteに引用した、以下の内容につながるのかな、と感じた。

「自己犠牲型しつけ」とは,自分を犠牲にして子育てが苦しくてたまらないという子育て負担感が強いと感じている関わり方である。こういう関わり方をしている 親は,“ 自分は子どもが生まれてからゆっくり手足を延ばして入浴もできない,電話もできない,なのに,夫は知らん顔で助けてはくれない ” と子育てに孤軍奮闘していて,生活は子ども中心で,自分の生活はないと感じている親たちであった。

自己犠牲では成果を出せない|noriko ooi (note.com)

幸せ感を崩してしまう、くせ者がいます。それが「我欲」です。(中略)この我欲に自分が縛られてしまうと、相手の身になって考えることができなくなるのです。(中略)もっと我欲が強くなると「私だけが・・・」という私の後に「だけが・・」という言葉がくっついてしまいます。「私だけが苦しい思いをしている」「私だけが不幸だ」というふうになるわけです。自分の中に、自分をダメにしていくものがあるのです。

不幸になる考え方|noriko ooi (note.com)

実は、ちょっと前に、中学受験に伴う最悪シナリオを学ぶ目的で、「中受離婚」を読んだのだが、中学受験を通して、いかに家庭が壊れていくか、家庭を壊さないためにはどうすればいいか、ということが具体的に書かれていて、とても参考になった。

特に参考になったのは、全3編からなる、各エピソードの解説に書かれていた以下の内容。

下手な夫婦喧嘩はお互いを精神的に削り合うだけに終わる。そこで、心理カウンセラーとして約10年間にわたって父親向けのオンラインカウンセリングルームを運営していた経験から、上手な夫婦喧嘩のコツを一つだけ紹介したい。
それは「無理に結論を出さない」ことだ。結論を出さなきゃ何も変わらないじゃないかと思うかもしれないが、むしろ下手に結論を出そうとするから余計にこじれるのだ。相手を信頼し思いやり合うふたりが、お互いの問題意識をお互いの脳にインプットすれば、そこから先は、お互いの無意識がいい落とし所を見つけてくれる。私はこれを「無意識の歩み寄り」と呼んでいる。(中略)妻は自分の不安と夫への期待をそのまま伝えればいい。夫は自分がどんなに大変な思いをして疲れているのかをそのまま伝えればいい。どっちの主張が正しいかをその場で判定する必要はない。
寝ている間ですら無意識は活発に活動する。夫の無意識は「ああ、彼女は不安だったんだ。このところちゃんと話をする時間もなかったしな」なんてことを考える。妻の無意識は「そうよね。彼だって疲れているのよね。あんな言い方をしなければよかった」なんて反省したりする。
すると無意識が少しずつ本人の言動に影響をおよぼし、夫はだんだんと早く帰宅して妻の話を聞くようになったり、妻も無意識のうちに気持ちの伝え方に気をつけるようになったりする。そうしてお互いに何をどうしたという意識をしないうちに、自動的にバグが修正される。

中学受験を機に、夫婦関係にひびが入ることがある。対処の仕方を間違えると、それが修復不可能なくらい大きな溝となる。夫婦を襲う「中学受験クライシス」といってもいいだろう。
中学受験クライシスの構造を理解する手助けとして、心理カウンセリングの家族療法に用いられる「ボーエン理論」の考え方を紹介したい。
ボーエン理論とは、家族を一つの「情動システム」としてとらえ、個々の家族メンバーが相互に影響し合ってバランスを保っているとする考え方だ。
(中略)家族内のメンバーは、それぞれお互いに感情的に反発しあって交流している。複数の磁石がともに反発し合いながら微妙なバランスを保っているのをイメージしてほしい。(中略)感情のバランスは、たとえば子どもの成長、家族メンバーのケガや病気、そして死などで変化する。そのたびに家族メンバーは、まったくの無意識で、相互補完作用を働かせてバランスを調整し、家族システムを保とうとする。(中略)感情的に癒着した夫婦の情動システムが何か大きなショックによって揺らぐと、お互いの不安が増し、夫婦喧嘩のような感情的交流がなされるようになる。(中略)ここでもういちど、複数の磁石がともに反発し合いながら微妙なバランスを保っている状況をイメージしてほしい。磁石のN極とS極が完全にくっついて、一塊になってしまえば安定する。(中略)これではどちらも個として成長できない。家族がお互いに独立を保つには、常に適度な間隔を保ち揺らいでいるように見えるくらいがちょうどいい。夫婦関係も同じである。

蜜月関係にある夫婦が、なんらかのきっかけにコンフォートゾーンを離れるか留まるかの選択を迫られる。コンフォートゾーンを離れることで、そのまま関係性が壊れてしまうリスクはある。逆に、コンフォートゾーンにとどまり続けると、じわじわと関係性は腐る。
必要なときにコンフォートゾーンを離れ、試練を経験し、再びコンフォートゾーンに戻ってくるサイクルを繰り返さない限り、関係性は成長しない。その意味で、ときどき夫婦の不和を経験することは、決して悪いことではないのだ。

お互いに歩み寄りながら、時に反発したり、お互いの不安を伝えあったりすることも、家族の関係性を保つには必要なことだということが分かり、なんとなく腹落ちした。

ところで、幸福度が高いといえば、ブータン。
数年前に、幸福度の急落が話題になっていた。

かつてブータンの幸福度が高かったのは、情報鎖国によって他国の情報が入ってこなかったからでしょう。情報が流入し、他国と比較できるようになったことで、隣の芝生が青く見えるようになり、順位が大きく下がったのです

ブータン「世界一幸せな国」の幸福度ランキング急落 背景に何が? | マネーポストWEB (moneypost.jp)

幸せに生きるには、「人は人。自分は自分」と割り切ることも大事。
家族にはいろんなカタチがあって良く、常に平和な家庭を望むのは難しくて、逆に、様々なトラブルを経験することで、家族の関係性は強くなる。

他人と比較することが自分の幸福度を下げる原因の一つになるのだから、あえて他人と比較をせず、自分自身の価値観を大切にして生きることが、結果として自分の幸福度を高め、家族にとってもいい影響になるんじゃないかなと思った。この考えを大切にしながら、1年後に迫った上の子の中学受験に勇気をもって伴走することで、昨年作成した以下のVizで宣言したことを実践し、家族の関係性強化と自分自身の成長につなげていきたい。

我が子と一緒に過ごせる時間 | noriko ooi