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力を得ようとする時に大切なこと

先日、塾の保護者会に参加した際、中学受験において、知識を身につけるためのポイントを教わりました。

ざっくり言うと、知識を身につけるためのポイントは以下で、これらを押さえているかどうかが、その後の成績や成長に大きく影響するとのことです。

・まずはたくさん経験すること
・経験したことを、学んだ知識と結びつけること
・学んだ知識を自分の言葉で語れること

驚いたことに、その内容は、「データドリブンの極意」の中でKTが語っていた、データドリブンのポイントと、とてもよく似ていました。

「経験と勘から脱却してデータドリブンに」というのはよく言われますね。しかし、私はそうは思いません。「経験と勘」とデータドリブンは共存しなければならないものだと思っています。

人間は、思考のプロセスの中でさまざまな情報を取得し解釈しますが、何かを決断する時の最後の決め手は、結局「これでいこう」と思う勘です。勘は、その人の特性や直感に依存するものですが、その人がこれまで得てきた経験によって培われ、洗練され、進化していくものです。

ビジネスの失敗で「経験と勘で判断したからだ」としばしば槍玉に挙げられるケースは多いですが、重要なのは経験の範囲です。
(~中略~)
土俵にあるものを可能な限り使い倒せる人間がさまざまなアイデアを生み出せる、というのはいつの時代も同様です。現代においては、データの生成、通信環境の整備、データの共有基盤の登場によって、使えるデータは増え続けています。使える人はすでにこれらを駆使しています。だから、使えない状態のままやみくもに突き進むことは格差も助長するでしょう。それは、避けなければならない事態です。
(~中略~)
私たち人間には、ストーリーの力を使って、自分自身が経験していないことも自分が経験したことのように蓄積できる能力があります。つまり、自分の「経験の幅」を拡張していくことができます。読書や映画などはそのわかりやすい例ですが、実はデータも、私たちの勘を養う経験の幅を大きく拡張してくれるのです。

データドリブンの極意」(Master KT著) より抜粋

どんな内容かによらず、何かの力を得ようとする時、まず最初に大切なのは「経験の幅」だということを知り、改めて学びになりました。そして、経験が理解の助けとなって、知識が深まり、そのプロセスを経て、自分の言葉で語れるようになると、ようやく自分の知識として身についている状態になれるのだと思います。

このことを踏まえて感じたのは、「経験」「知識(スキル)」「ストーリーテリング」という3つの力を小学生のうちに習得できたら、残りの人生最強だろうな、ということ。

実際、スポーツの世界では、オリンピックで活躍したり、プロとして活躍している人の多くは、小学校時代から経験を積み重ね、スキルを磨いています。そして、学び得たことを実践するだけにとどまらず、自分の言葉で語れる人が一流と呼ばれているように思います。

どの世界においても、先入観なしに、素直になんでも知識を吸収できる小学校時代にどんなことを学ぶかって、その後の人生にとって、とても重要な要素なんだろうな。

そういう意味で、経験を積み重ねてきた、好奇心旺盛な子が、高いレベルの知識を得て、人間としての能力を高め、その後の人生でさらに成長するためのきっかけを作るというのが、中学受験に挑む、本来の目的なのだろうと感じています。

そして、中学受験の勉強を通して成長できるのは、おそらく、ドラゴンボールの孫悟空のように、試練を楽しめて、コツコツと試練を乗り越える力を持つ子。そして、一緒に伴走しながら、分からないところを教えたり、子どもを励ましたりするのが親の役目。

あれ? これって、DATA Saberを育てるプロセスと似ていない?
弟子を育てるのと同じような感覚で、子どもに伴走すればいいんだ!

今までぼんやりと、「将来的に、小学生のDATA Saberが生まれたらいいな」と思ってきたけれど、このことに気づけたことで、子どもの中学受験に伴走することは、その夢の実現に向けた試練だと捉え直すことができました。

DATA Saberとして学び得たことが子どもの教育に生かせるとともに、子どもの教育を通して学び得たことをDATA Saberの師匠としての自分のスキルアップにも生かせるだなんて、なんと素敵なプロジェクト!

この経験をもとに、いつか本当に、小学生のDATA Saberを育て上げることができたらいいな。そして、もしそれが実現できたら、データドリブンの新しい世界が切り開かれていくのではないかと、今からとてもワクワクします。