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柔軟性の高さは前へ進む力になる

会社の再編に伴い、7/1から出向先の会社が別会社になる。体制やシステムがガラッと変わるということで、ちょっと前から社内がワチャワチャしてるものの、職場では、「まぁなんとかなるよ。なんとかならなかったら、その時考えよう。」と、みんな落ち着いた様子。

「なんでみんな不安に感じないのだろう?」と疑問に思っていたけれど、それは普段から、柔軟な対応に慣れている集団だからだ、ということに気づいた。

システムではここまでしかできないので、システムでできないことは、営業の現場で運用対処してください。

新しいシステムを導入したり、新しいサービスが始まったりする時のよくある制約事項。

確かに、予算がある以上、開発にかけられるコストには上限があり、あれもこれも、と機能を盛り込むことは難しい。だから、優先順位の低い項目やイレギュラーなことに対しては、運用対処にならざるを得ないことは理解できる。

ただ、現場を知らないシステム側の人からすれば、当たり前の決断かもしれないけれど、現場からするとたまったものではない。

例えばイレギュラーな対応だったり、システム設計時の考慮漏れがあったりした場合。
お客様のオーダーを受け付けるにあたり、システムが対応していないことが原因で、かなり複雑で時間のかかる運用対処を行わないといけないケースがある。場合によっては、そもそも受け付けすらできないケースだってある。

そんな時、営業担当者は、さまざまな知恵を絞ったり、助けを求めることで、解決の糸口を探す。
そして、解決の糸口が見つかったら、お客様に迷惑をかけないようにするために、営業担当者は念入りに準備をして、滞りなく対応を行なっていく。

そうやって頑張っても、うまくいかなかったり、ミスが発生したりすることはある。
その時に矢面に立つのも営業担当者。

そんな状況において、営業担当者がお客様に真摯な対応や説明をすることで、お客様との信頼関係は保たれる。

だからこそ、できる営業ほど、肝が据わっている。仮に大きなトラブルや想定外のことが起きても、動揺せずに、平然とした態度で、即座にお客様対応を行うことができているし、ちょっとのことでは決して焦らない。

そういえば以前、店頭システムのオペレーションに関わる業務をしていた時、販売店の店長とのやりとりの中で、驚いたことがあった。

私「今回のような、オペレーション変更を伴う、店頭システムの機能改善をする場合、いつまでに周知すれば大丈夫ですか?」
店長「前日の終業時間までに周知してもらえたら大丈夫ですよ(※)。みんな慣れてるので、翌朝の朝礼で伝えれば、柔軟に対応できます。」

※大がかりなシステム改修やお客様影響がある場合は、もっと早くから社内周知をしないと現場が混乱するため、あくまでもケースバイケースになります。

その時は、システム開発や運用整理、マニュアル作成といった各種調整がギリギリまでかかり、結局、システムが切り替わる前日の午後に、社内周知を行ったのだが、その翌日(新しいシステムに切り替わった当日)、実際に、あるお店の朝礼に参加して、システム変更後の使い方のレクチャーをし、その後の実践(お客様応対)の様子を側で見ていたら、スタッフみんなが、スムーズに、変更後のシステムを使いこなしていることに驚いた。

もちろん、バックヤードでいくつかの質問は受けたけれど、使い方が分からなくて困っているスタッフは一人もいなかった。

この経験を通して、営業の現場は、こうした柔軟性の高さで成り立っている、ということを知るとともに、システム側の人にもこうした現状を知ってもらい、もっと現場が使いやすいシステムを開発できるように、私も力を注ぎたい、と当時強く思ったのを思い出した。

思えば、今私が業務として行っている、法人営業の現場でのDX推進に関しても、データを活用して変わっていく必要がある、という前提を、職場のみんなが持ってくれているから、いろんな意見はいただくものの、どんどんやってほしいと応援される。

「現実を受け入れ、覚悟を決めた後は、どうやったら前に進めるかに注力して考えて行動する。」

それが、できる営業担当者が共通して持つ力。

私に求められているのは、そんな営業担当者達と粘り強く向き合い、寄り添いながら、対話を重ね、データ活用の側面で、様々な解決方法を提案し、実現していくこと。

周りからの期待の大きさに対する自分の実力の低さに、気持ちが押し潰されそうになることもあるけれど、1つの解決方法にこだわりすぎず、たくさんの方々に助けてもらいながら、柔軟に対応していくことを繰り返すことで、この業務に携わって3年目になった今、どうすればうまくいくか、ということをようやく理解できるようになり、うまくいく確率も徐々に高くなってきた。

新しい会社になるということで、今後しばらくは、大変な局面が続くことが想定されるけれど、助けてくれる方々の力を借りながら、これからも柔軟に対応することで、前に進んでいきたいと思う。