アーユルヴェーダ薬草メモ :甘草=イエシティマドゥ
和名:スペインカンゾウ
リコリスとも呼ばれる。
漢方名:甘草(東アジアで甘草として使われてきたのはウラルカンゾウで植物学としては別種)
サンスクリット:イエシティマドゥ、ヤシュティマドゥ、マドゥカ、マドゥヤシュティ
マドゥは甘い、イエシティは枝、棒という意味らしい。
属性(グナ):重性、油性
薬力(ヴィーリヤ):冷性
味:甘味、(苦味もあるとする資料もある)
ドーシャへの影響:ピッタドーシャとヴァータを鎮静する。
効果効能:冷性により熱感を除去する。抗炎症作用がある。傷や細胞修復を促進する。
肌にツヤを与える。アトピーにもよい。(※アトピーにもよいオイルはイエシティマドゥかニーム。他の薬草だとカディラがよいらしい。)
頭皮環境の改善や育毛作用もあるので、ヘッドマッサージオイルに使われたりシロダーラにも使われる。(オイルや煎じ液)。
目にもよく、ネトラプラハ、エラニールクザンプなど目薬に使われている。
ナスヤに使用すると心の安定、脳神経系によい。
強壮作用もある。生殖器官の強壮。
咳、たん、呼吸困難、発熱などにもよく、内服薬、漢方薬、ハーブティーでも使われる。 内服効果は、目、体力増進、肌ツヤ、抗炎症、脳への働き、声をよくするなどがある。
※グリチルリチン酸は甘草エキスのことでよく化粧品にも使われている
※医薬品等で過剰に摂取すると手足の力が抜ける、手足のこわばり、高血圧、むくみ、頭痛などの副作用がある
チャラカサンヒターでは、50種類の薬剤群において、延命薬(ジーヴァニーヤ)、癒合促進薬(サンダニーヤ)、色つや向上薬(ヴァルニヤ)、のどによい薬(カンティヤ)、止痒薬(カンドゥー・ゴナ)、油剤補助薬(スネーハ・ウパガ)、尿色回復薬(ムートラ・ヴィラジャニーヤ)、催吐補助薬(ヴァマナ・ウパガ)、煎剤経腸法(浣腸)補助薬(アースターパナ・ウパガ)、四肢筋肉痛鎮静薬(アンガマルダ・プラシャマナ)、止血薬(ショーニタ・スターパナ)に分類される。頻出!
第三章の32種の泥膏においては、痛風を治す泥膏、頭痛を治す泥膏、熱感を除去する泥膏に登場する。
参考資料;チャラカサンヒター総論篇、日本アーユルヴェーダ学会誌シャンティマールガ第22巻、アーユルヴェーダのハーブ医学-東西融合の薬草治療学、アーユルヴェーダのアンチエイジングーすぐに試せるアーユルヴェーダ養生法ー
アーユルヴェーダサロン環
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