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初期の竹宮惠子作品、萩尾望都作品を雑誌で読むために

この4月下旬、『一度きりの大泉の話』(萩尾望都、河出書房新社、2021)を読み、続いて5年前に読んだ『少年の名はジルベール』(竹宮惠子、小学館、2016)を再読し、さらに『扉はひらくよ いくたびも』(竹宮惠子、中央公論新社、2021)も、読みました。

この間、お二人の当時の作品を再読したり(11月のギムナジウム、トーマの心臓、サンルームにて、風と木の詩etc.)、『ぱふ』の「萩尾望都の世界」(1979年4月号、清彗社)、「竹宮恵子の世界」(1980年4月号、清彗社)も読んでしまい……夜が忙しくなりました。寝る時間がないくらい……。

そして、今日……。おふたりが当時描いておられた雑誌(つまり、初出誌ですね)が、どれほどあるか、少女まんが館(女ま館)蔵書を探索。

1968年から1972年までの24冊を文机コーナーに設置しました。

『別冊マーガレット』(1968年、萩尾先生の投稿作品:銀賞とその評が……)
『週刊マーガレット お正月増刊』(1969年、竹宮先生のデビュー3作目「りんごの罪」)
『なかよし』(1969〜1970年、萩尾先生のデビュー作「ルルとミミ」、竹宮先生の「アストロツイン」)
『少女フレンド 増刊』(1970年、萩尾先生「ビアンカ」)
『週刊少女コミック』(1970〜1972年、竹宮先生の作品群、「Go! Stop! (ゴー・ストップ)物語」「魔女はホットなお年頃」「空がすき!」「ナイーダ」「空がすき!」第2部)
『なかよし』(1971年、萩尾先生「ジェニファのおあいては」*)
『別冊少女コミック ちゃお 10月号増刊』(1972年、萩尾先生・竹宮先生の各4コマ見開き2ページ「ちいさい秋みつけた」)

*扉ページの手描きタイトル

集英社、講談社、小学館が入り交じってるところが、すごい。

24冊中、両先生が表紙を飾っているのは、竹宮先生だけ、しかも1冊のみ。「空がすき!」第2部スタートの号。(『週刊少女コミック』1972年39号)。

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おやっ、なぜ、宇多田ヒカルが? じゃなくて、もちろん、藤圭子さんです。やはり、おかあさまですね、似ていらっしゃる……と感じ入ってしまい、ついでにご紹介。

1970年前後の時代の空気がつまっている少女まんが雑誌群です。「少女雑誌」から「完全な少女まんが雑誌」へと変貌する、その過渡期(最終期)だとわたしは捉えています。

まんが専門誌『ぱふ』の特集号も、読みごたえがあります。1970年代後半、当時の熱狂が伝わってきます。

『11月のギムナジウム』(萩尾望都、1971年『別冊少女コミック』)は、雑誌から切りとって、クリアファイルに収めた手作り特別版を、文机の隣に置きました。

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「当時は子どもだったので、きれいに切り取るという発想もなかったし、その技術も持っていなかった。けど、捨てられないと思って、いくたびの引っ越しの時も絶対捨てずに、ずっと持っていました。とはいえ、わたしが持っているより、ここにあるほうが、みなが見てくれると思って」と、寄贈くださったYさん。(どうもありがとうございます!)

1960年代末から1970年代の『少女コミック』『週刊少女コミック』『別冊少女コミック』に関しては、私設図書館「高橋亮子 作品館」(東京・昭島市)さんが、大変充実しております。女ま館からも近いエリアにあり、電車&徒歩で1時間以内です。

女ま館の2階北側の文机コーナー、ちょっと特別仕様のまま、しばらくこのままにしておきます。





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