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これが見たかった、その7(少女界、池田理代子、白馬に乗った王子さま)と2CV

しばらくご無沙汰してしまいました。

これが見たかった(読みたかった)シリーズも7回目です。

7月20日(土)は、久しぶりの来館者零でしたの(戦前女学生風)。が、寄贈書がひと箱届きました。これに関しては、また、別稿で。とにかく、貴重な品々がとどきました(どうもありがとうございます!)



『少女界』とカツベン映画

7月27日(土)に読まれたものは、『少女界』(金港堂書籍)。日本初の少女雑誌として、1902年(明治35年)創刊。ウィキ先生には、最終号1912年(大正元年)とありますが、以後も発行されています。出版社が東京大洋社となって、少なくとも1913年(大正2年)まで続いています。というか、女ま館にあります(ウィキ先生もお間違えになることがありますね)。

実物を手にとって見る(読む)ことができますので、明治末期〜大正初期へタイムトリップできること、請け合いです。

カツベン映画普及会のかたが、戦前の少女雑誌を見てみたいとのことで、木箱に入れた少女界をお出ししました。

「カツベン映画」、この夏、そうごう千葉店でイベントがあるようなので、ご興味あるかたは、ぜひ。



池田理代子、ささやななえこ、萩尾望都作品と『なかよし』『りぼん』

8月3日(土)に読まれたものは、『妖子』『オルフェウスの窓』(池田理代子)、『世界でいちばん大嫌い』(日高万里)。よく女ま館に来られるかたが読んでいかれました。ご贔屓、ありがとうございます!

『凍てついた瞳』(ささやななえこ)、『残酷な神が支配する』(萩尾望都)を庭のガーデンテーブルで読まれていたかたがたも。「こんなのどかな中で、こういうものを読んでるわたしたちって……」と、年配女性ふたりは笑っていました。どちらも少女マンガ史に残る問題作ですね。社会的にも影響を与えた傑作かも。

ほか、90年代の『なかよし』を読んでおられた姉妹お二人。『セーラームン』( 武内直子)、『セイントテール』(立川恵)、『レイアース』(CLAMP)などが好きだったそう。彼女たちの母親が好きだったという1973年の『りぼん』も懐かしかったとのこと。郷ひろみやアグネス・チャンの口絵があったりで。


ジブリ映画の車がいらっしゃった!

この日は、シトロエンの2CVという車でこられたかたがたがいらっしゃいました。車に詳しくなくても、この姿を見れば、おお、あの……とわかる車種でした。写真公開OKとのことで、ご披露させていただきます。

めっちゃかわいい。宮崎駿映画に出てくる車のモデルだとか。女ま館の庭に溶け込んでる〜。
キャンパス生地の天蓋が開いて、オープンカーに。
この後ろ姿は……ジブリ映画で見た……
シートもかわいい。シンプル素敵。クッションが効いていて、座り心地満点。Hさん、座らせていただきまして、ありがとうございます!

ついでにお知らせ。車で来館されるかた、女ま館の庭にある空きスペースをご利用ください(車2−3台は可能)。縦列駐車になる上、出入り口が狭くて、しかも傾斜ありの道で、出入りにちょっと苦労されるかもしれませんが……どうぞよろしくお願いいたします。

@jomakan


白馬に乗った王子さまのルーツはどこに?

最後は、「白馬に乗った王子さま」が出てくる少女まんがを読みたい、というかたがいらっしゃいました。「えっ? そういわれると、出てこない……」と頭が真っ白になりましたが。

「『キャンディキャンディ』ですね!」と、馬とアンソニーの画面がよみがえり、お伝えしたのですが(ん?意味的には逆かもしれないけど)、ほかは……さっぱり、これといって、出てこない。

ところが! 来館者のおひとりが、「1960年代の作品にありそうですね」と、ナイスなアドバイス。年配の女性たちからは「『リボンの騎士』じゃない?」と。なるほどなるほど。女ま館は来館するかたがたの造詣の深さに助けられています。ありがたやありがたや。

その後、ooiは、細川智栄子先生の『愛の泉』を思い出しました。

この作品、日本の普通の少女がオーストリア皇太子に見染められて……という、ooiが10歳のおりに、好きで好きで大好きだった作品。しっかり「白馬に乗った王子さま」(ん〜「白人の王子さま」でしょうか)ステキ!という思考を注入されたと思われます。

ほかに細川先生の『あこがれ』という作品があったことを思い出しました。そのかたは、そのタイトルがいいので、これを読んでいきます、とコミックス全5巻を読み切り、「おもしろかったです〜」と、うれしそうでした。

いや〜よかったよかった。


少女まんがはアノニマスな世界!?

以前、「パンをかじりながら、遅刻、遅刻、と走って学校へ行く女子学生」のシーンがある作品を知りたい、という問い合わせがあり、このときも「あ? え? そういわれると、作品名が出てこない……」という思い出があり、「白馬に乗った王子さま」も同じようなことだと、気づきました。

イメージとしての「少女まんが」は、しっかりと社会に認知されている、けど、そのイメージまんまの作品は? 作者は? 無名だったりするのですね。多くの少女まんが家のかたがたが、描かれていたことは確かなんだけど、だれが、どの作品が、源となる作者、作品の決定打がないという……。

読んだはずだけど、タイトルも作者も覚えていない……あまりに多くの少女まんがを読んで育ってきてしまって……アノニマスなつもりはなかったであろう少女まんが家のみなさま、申し訳ありません。そして、豊穣な少女まんがという世界をつくりあげてくださり、ありがとうございました。

というわけで、深掘りするとハマりそうなので、このへんで、切り上げて。また、次回!(ooi)









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