見出し画像

竜樹諒作品「ハローレディー」を探して

写真は、野菊(たぶんヨメナ)の群落。少女まんが館らしいでしょ。日の出町からあきる野市へ引っ越した頃、少女まんが館なのだから、マーガレットの苗などを買ってきて植えようかな……と考えていたのです。

が、ふと見ると、小屋の前に自然に咲いていた数輪の野菊たち。「この子たちを育てよう」と決め、刈り込まないように保護して10年余。やっとここまで大きくなりました。いまや200輪は咲いています。おお、ジャパニーズ・ガーデン!

さて、最近の探索作品のご紹介。先日来館されたKさんが「読みたい」ということで探した過程を記します。

Kさん:たぶん、『プリンセス』70年代後半、竜樹諒さんの作品で、タイトルは忘れてしまった。「まわる花時計」の前のTS(トランスセクシャル)の話なんです。半陰陽の話で。

……ということで、くだん書房さんの雑誌もくじ、秋田書房「プリンセス」ページを開いて、検索ワードに「竜樹諒」と入れると、すぐに見つかりました。(このページ、いつも参考にしています。ありがとうございます!)

「プリンセス」1977年2月号掲載の「ハローレディー」という作品。タイトルからして、これに違いない、ということで。「まわる花時計」は1977年7月号掲載。どちらもプリンセスコミックス『人形の家』に収録されていました。雑誌のほうは、女ま館蔵書にありませんでしたが、コミックスがありましたので、Kさんは無事、読むことができたのでした(祝!)。

トランスジェンダーとは、心と身体が男女一致しない系ですが、トランスセクシャルは、身体そのものが男女あいまい系で、トランスジェンダーとは違うのだそうです。(Kさんから聞いた話を大井翻訳機にかけて表現してみました)

LGBTという言葉は最近では市民権を得ていると思われますが、そのような言葉が皆無の70年代初頭、Kさんいわく、一条ゆかり先生の「さらばジャニス」(『りぼん』1971年10月号)が、TSものの最初だとのこと。男女の身体入れ替わりのドタバタラブコメディ、弓月光先生の「ボクの初体験」は『週刊マーガレット』1975年〜1976年連載、竜樹諒先生の「ハローレディー」が1977年。半陰陽の男の子の話を、リアルに描いています。

TSものといえば、近年、大ヒットしたアニメ映画「君の名は」(2016年公開)がありますね。

一方、大島弓子先生の『男性失格』(『週刊マーガレット』1970年)、『ジョカへ……』(『別冊少女コミック』1973年)はファンタジー要素入りの性転換もの。少女まんがの世界では、70年代からジェンダー問題は大問題でした。

話を竜樹諒さんに戻して……このお名前を最初に聞いて、ん? 最近ネットで話題になっている『私が見た未来』(たつき諒、ほんとにあった怖い話コミックス、朝日ソノラマ、1999年)の著者では???と。このコミックスの表紙に「大災害は2011年3月」とはっきり書いてある。1999年発行なのに。東日本大震災を予言的中させた!とネット上で注目が集まり、絶版のため古書市場やオークションで10万円以上の値がついていた……幻の予言まんが……そんなこんなで、なんと、この10月1日に飛鳥新社から再版されるということを、竜樹諒さん調べをしていて知りました。

Amazonはこちら。スピリチュアルの世界では話題騒然のよう。

先行き不透明のこの時代、年月日も場所も明確な大災難の予言をされているこのコミックス、大災難のあとの輝かしい未来のイメージ……も。たつき諒先生の誠実そうなお人柄も伝わってきます。

少女まんがの世界には、昔々からホラー・オカルトなジャンルがあって、80年代後半は、ホラー・オカルトに特化した雑誌がいくつもありました。今も『月刊HONKOWA(本当にあった怖い話)』『実際にあった怖い話』『Nemuki+(ネムキプラス)』などがあります。


『私が見た未来』、そのような豊穣な少女まんがの世界から生まれた奇書なのかもしれません。

よろしければ、サポートお願いいたします! 少女まんが館の管理運営費として活用いたします。たいへん励みになりますし、助かります。よろしくお願いいたします。(ooi)