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足利の山が燃える。子供の頃起こした山火事を思い出す。

21日から、足利市の両崖山が燃えている。
鎮火の見通しが立たないという。
あの山には何度かハイキングで登っている。(行道山~両崖山~織姫神社)
ハイカーの火の不始末が出火原因だとか・・・
山を愛する者が一番気をつけなければいけないことなのに、非常に残念だ。

両崖山頂は、平安時代後期に築城された山城・足利城の跡でもある。
堀切や石垣が残っており、登山道からの見晴は抜群だ。
その山が、今、燃えている。
テレビの画像に映る炎を見ていると、子供の頃起こした山火事の恐ろしさを思い出す。

あれは小学校2年か3年生の頃だったか。
集落の子供会で里山の斜面を開墾して木を植えることになった。
班長の中学生を頭に、子供たち10人ばかりが鍬を持ってその山に入った。
指定されていた場所は、わりと平らで小さな灌木とススキの原っぱだった。
山道の反対側は、私の祖父が所有する松茸がはえる山で、よく松茸狩りに来た山だ。
子供たちにとって、木や雑草を取り除くのはけっこう厄介だった。
上級生たちは何か相談した後、班長がマッチを出して枯草に火をつけた。
少し燃え上がってから、木の枝で叩いて消そうとしたが、炎の勢いは止まらなかった。
炎は子どもの背の高さになると、上級生は下級生に「逃げろ!」と叫んだ。
下級生たちは、転びながら坂道を走った。
下り道を走ると、勢いがついてスピードを制御できない。
転んだついでに、うしろを見るとパチパチという音とともに、煙がモクモクと天に向かってのぼっていた。
それに気づいた大人たちが動き始めたが、自分のその後についてはあまり記憶にない。
ただ、山肌を舐めるように這う赤い炎は、今でも覚えている。
祖父の山の松の木も黒い幹だけとなり、松茸は採れなくなった。
遠い遠い、身震いするような昔の思い出だ。

参考:林野庁による日本の山火事の発生頻度。
最近5年間(平成27年~令和元年)の平均でみますと、1年間に約1.2千件発生し、焼損面積は約7百ヘクタール、損害額は約3.6億円となっています。
これを1日あたりにすると、全国で毎日約3件の山火事が発生し、約2ヘクタールの森林が燃え、1.0百万円の損害が生じていることになります。

両崖山への道

☝両崖山への道

足利城跡案内板

☝足利城跡案内板

足利城跡

☝両崖山城とも呼ばれる足利城跡。どうも火元はこの近くらしい。

登山路

☝登山路

織姫神社

☝縁結びの織姫神社