なぜ、気?

 『エネルギー体操』という名前に決める前に、「気をコントロール(操る)体操という意味で「気体操」や、「気操」という名が理解しやすいかなとも考えました。
 「気」が日本語の中で様々な表現として用いられているので、感覚的に理解しやすいかなと思ったのです。
 しかし、いま、日本でも、若い世代では、私が体験してきた、一昔前の「気」の環境はありません。さらに、『エネルギー体操』を世界に広めるという意味では、日本だけで馴染みのある「気」という言葉より、「エネルギー」という言葉のほうが理解しやすいかなと思いました。

「気」とは何?

 若い頃の私は、「気」という言葉や、その世界を知っていましたが、言葉で説明のできないものには関わろうとしませんでした。教育の環境がそうさせたのですね。
 武術で、離れて立っている相手を、手を触れることなく気で倒してしまう「気当て」という技は、言葉で説明ができないというだけで、興味の対象から除外されました。
 私達が子供の頃、怪我をしたときに、
「痛いの痛いの飛んでいけ。」
と、手当療法を受けたことは、医学的に根拠のない事として、片付けていました。
「気」は、言葉で説明できない得体の知れない存在だったのです。

「気」は、宇宙の元のエネルギー。

 私達日本人が「気」という言葉を使うときにどんなものを指しているのでしょうか。
 環境としては、気象の変化(天気)、上昇する気体、見えないが存在する空気、大気。山の気。海の気。

 私達の心身の働きとしては、精神の働き(気力、気勢)。性質(気立て、気ごころ)。心の働き(考え、意志、何かをしようとする、心配、根気、興味、関心)。気がある、気を取る、気がする、などの何かを感じる雰囲気。
そこに人が隠れているという気配、殺そうとしているなという殺気。団体の性質、肌が合うなどと表現する相性。

これらは、何かが起きる前の状態を感じさせたり、私達に何かを感じさせたり、与えるものです。宇宙や人体の機能を分析して捉えるのではなく、総合的に、全機能的に、宇宙はこのような「気」によって、作られていると理解します。
 私達が知っている「気」だけでなく、知らなかった働きや性質も限りなく存在すると思われます。

 これを宇宙の根源的な仕組みと捉えて、その仕組みごと利用しようとするのが『エネルギー体操』です。




 

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