写真の母が語ってくれました
写経、詩吟、仕事
昨年の1月8日、99歳の生涯を閉じた母の1年の法要です。仏壇の下の方に主治医が撮った母の死の直前の写真があります。読経の間、お寺さんの右後ろに座る私に向かって満面の笑みを送っています。
この時、初めて母が語ってくれました。20万巻から30万巻の般若心経の写経をした母、歴史にも聞いたことのないとんでもない数です。なぜ、毎日このような行が出来たのか、私には分かりませんでした。
詩吟を謡わせればずっと聞いていたいような素晴らしい歌声で、師匠にも並ぶ魅力を持っていました。料理屋の仕事をしていましたが、人並み外れた仕事量をこなすだけでなく、畳屋町(大阪市中央区東心斎橋)にすし店を出したときは、みなみいちの高級店にもかかわらず、表に順番を待つ人がいたほどです。
何がこの人に、このような、超人間的な力を与えたのか、今まで考えることもできませんでした。
心に秘めた思い
『エネルギー体操』をして、宇宙の根源のエネルギーに接したからでしょうか、母のこの思いを、いま、感じる事が出来ました。
戦死した最初の結婚相手、それと、火災で亡くした私の弟、この2人のことを生涯、弟が亡くなってから母がこの世を去るまでの約70年間、母の口から1回も聞く事はありませんでしたが、この2人に対する秘めたる愛(言葉で表現できる通常の愛ではない)、これこそがこの人(母)のエネルギーだったのでしょう。
生きている間には、一言もそれに触れなかったのですが…。
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