見出し画像

結局他人に興味がない

今月、職場の新人が一人辞める。うちの職場は良くも悪くも個人主義、それでいて体質の古い業界なので、合わない人にはとことん合わない環境だ。しかし辞める新人は、辞意表明をした二週間前の研修期間終了時面談では「今後も働いていきたい」と元気よく返事をしたそうで、そのことについてついクヨクヨと考えてしまっている。考えたところで仕方のない、もはや取返しのつかない局面でなおクヨクヨと悲観的にものを考える不治の呪いにかかっているのだ。
業務上、さまざまな会社に出入りする。そこで担当者や周囲の愚痴を聞いていると、人がすぐ辞める職場はたいてい職場環境に問題があるものだ。先述のようにうちの職場はブラックではなくとも、決してまっさらなホワイトというほどでもない。福利厚生はしっかりしているし、給料も良く、ボーナスは三ヶ月。定時の実働は7時間で残業はないし、飲み会は年に1~2回。新人は雑用をさせられる悪しき風習はあるものの、同僚にお茶出しする制度や早く出社して掃除をする制度は既に滅ぼした後なので、始業10分前に出てポットの水を交換し、来客応対と電話対応の雑務を粛々とおこないさえすれば定時即離脱可能だ。実際、新人も就業時刻を回った瞬間席を立って爆速で退勤するのが常だった。
……とまあ途中からブラックとホワイトの主張が逆転しているところからうかがえるように、私自身は職場環境におおむね満足している。心底ムカつく点もまだ残ってはいるが、それは待遇の面で帳消しできているから耐えられている。新人はおそらく天秤感情のデメリットが上回ったのだろう。そして、そのデメリットこそが注目すべき・改善すべき点である、とふだん体感しているだけに、『何が悪かったのか』をぐるぐると考えてしまうのだ。
それに、二週間前は溌剌としていたのに突然180度態度を急変させたのだ。そこまで激変するからには、よほどの事情があるはずなのである。

……が、現時点ではまだ見当すらついていない。ただ何となく、私のことは嫌っていただろうなあ、という確信だけがある

いや今書いてハッキリわかったわ。ずっとクヨクヨし続けてきた理由、これだわ。
『私のせいで仕事を辞める』、もといひいては『嫌悪を向けられている』居心地の悪さが理由だわ。そしておのれはつい、自分のせい、という思考に陥りがちだが、こういう局面の時にはあけっぴろげに「ムカつくわ~」と一言で済ませればそれで良い話なんだわ。ムカつくわ~。
もちろん最初の、職場環境の見直しという視点はいつだって考えていかなければならない課題だとは思っている。思っているが、そもそも私はべつに人事の担当でもない。職場に対して情もなければ熱意もない。やつのことは趣味の金をひねりだしてくれる都合のいいパトロンだと思ってるよ。つまりマクロの視点で考えなければならない者はもっと他にいるはずなのである。経営者とか。
自分が快適に過ごすための努力は最低限していくが、心を砕く義理も責任も道理も何一つないではないか。それこそ余計なお世話である。わがことのように考える性質は基本的に美徳だと信じてはいるが、転じて傲慢である、ということもゆめゆめ忘れずにいたいものだ。
まあ、もしかしたら新人も、私のこういう余計なお世話焼きな部分に辟易したのかもしれないが、
すべては『知ったことではない』。この言葉を紙に書いて壁に貼り、一日三度復唱するべきだな。


特に何も考えず書き出した日記だが、思考を整理することによって悩みが一つ解決した。ありがとう。誰一人としてこんなもん読む必要はないです。
夏の活力にあふれた死の匂いをたっぷりと吸い込んで今日はゆっくり寝るとしよう。

画像はこないだ食べたチーズケーキです。めちゃくちゃに好き。