絵を依頼するのも疲れたよって話 その2
上の記事の続きです。
【case.2:Bさん 20代 依頼料:10,000円】
初めてのイラスト作成依頼から数カ月経った頃、2度目の作成依頼をする機会を得ました。といっても、1回目同様、素材サイト内で使いたい素材が無くなってしまったというだけですが。
前回と違うのは、弊社にて広告に使う画像を外部に作成依頼するという前例が出来たことです。
その為、2回目の時は比較的楽に予算を貰えました。前回同様の10,000円ですけどね。
子どもの小遣いちゃうねんぞ!などと思いながら、前回を教訓にして納品時のデータ形式をPNGでもOKとしました。この時の使用用途はWeb限定と確定していましたので。
また、「CLIP STUDIO PAINT」というツールを使っている人もそれなりに多く、PNG形式でデータ保存できるみたいでしたからね。
こんな感じで、Xで良さそうな人を見つけてはDMを送っていると、その中で依頼を受けてくれたのがBさんでした。
前回のAさんはランサーズでの依頼だったのもあり、契約の締結や領収書の発行もランサーズのWebサイトでできました。
Bさんの場合はXなので、まずは契約書を交わしましょうということになったのですが、ここで何故かBさんが契約書に拒絶反応を示し始めます。
こちらとしては知らない者同士が業務契約をするのですから契約書を交わすのは普通のことです。しかし、Bさんは契約書は無くても大丈夫だと言います。
ここで押し問答となると若干面倒になりそうな空気を察した私は、「まぁ、DMのやり取りは残ってるし」と思い直し、領収書だけは発行してもらうことを約束し、Bさんに依頼をしました。
この時に依頼したのは「活発そうな女性が応援してくれている感じ」の絵です。就職活動応援バナーとかそういうのに使うと考えてもらえれば想像しやすいかと思います。
Bさんのイラストは概ね希望通りで、納期も早く、データ形式も問題なく守っていただいたので、個人的には問題ありませんでした。お金を出しているのは会社ですしね。
その後、Bさんに作成していただいたイラストを私が作ったバナーに当てはめ、「こんな感じのバナーにイラストを使用しました」と連絡した時、私に悲劇が訪れました。
Bさんが「こんな使い方して欲しくないです。これじゃ私の絵があんまりです」みたいなことを言い出したのです。
どうもBさんが言うには、「自分の絵が一番目立つと思っていた。全身を書いたのにバストアップで酷い。全部見てもらえないのでは書いた意味が無い」(DMにあったのを多少脚色しています)とのこと。
私は理解が追い付きませんでした。
別に私はBさんの絵をアピールするためにBさんに依頼料を支払って絵を描いていただいたわけではありません。
あくまでも「私の作る広告を飾る画像」という認識でBさんに依頼をしたのです。絵を私の使いたいように使う権利料込みでイラスト作成を依頼した認識だったのです。
しかし、Bさんは自分が描いた絵の権利を放棄していないかのように振舞います。
私はこの時「絵師って人達はみんなこうなの?」と思わずにはいられませんでした。
最終的には、悪い言い方ですがBさんがおかしくなってしまったので、Bさんのイラストを使うのはやめてAdobeStockから獲得した画像を使いました。
だって、会社名名乗って依頼したから、あんまりな態度をとるとあることないこと書かれて会社のイメージが悪くなってしまいそうだったので。
これが自腹で依頼したのなら、多分、私は相手と同レベルになって罵倒の応酬になっていたことでしょう。
この2回目の依頼料10,000円も私の勉強代となりました。
教訓は「相手がごねても契約書は絶対に作ろうね」ということです。
絵の権利の譲渡などを明記しておくことは確実に必要だと痛感しました。
こんな感じで2回連続で散々な目に遭うと、外部にイラストを頼むのは止めようと思うのが普通でしょう。
ですが、そこは会社のやることです。私の意志とは関係なく、私を三度、イラスト作成依頼という戦場に引きずり込んだのでした。
次回に続きます。