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銭湯サポーターフォーラム2020

2020.10.10.

今日は10月10日、「銭湯の日」だそうだ。

東京都浴場組合の主催で、一般社団法人日本銭湯文化協会の共催の「銭湯サポーターフォーラム2020」というプログラムに参加した。10時半~12時半まで、家人の眠りや寝起きを妨げないように、ごそごそとzoomを立ち上げ、フォーラムを視聴。

今回のプログラムでは、パネルディスカッションが2本行われるという事で、これを楽しみにしていた。

ひとつ目は「銭湯を支える女性たちが家業を斬る!」というお題で、パネリストは下記の4名のおかみさんたち。
・山村幹子さん(世田谷区・宇田川湯) 昨年会社員から銭湯専業に。銭湯ライター。
・西川祥惠さん(中野区・一の湯) 開店から閉店まで番台に座る名物女将
・武田さつきさん(新宿区・万年湯) 観光客や外国人対応もお手の物
・近藤美枝さん(大田区・はすぬま温泉) 銭湯を営んで40年の大ベテラン

一の湯以外はこの半月以内に訪れており、浴場のイメージもすべて思い出せる。

世田谷区「宇田川湯」の山村さんとは、つい数日前におしゃべりしたばかりで、ご家族で経営しているお話などを聞かせていただいた。シンプルなつくりで、お湯の種類もストイック。ともすると地味な銭湯ではあるけれど、とにかく熱いお湯で、汗が引かなかったなあ。

新宿区「万年湯」は、え、こんなところにあるの!というロケーション。賑やかな新大久保の喧騒から路地に入ると、地方の旅館に来たような静けさだった。2016年リニューアルの今井建築。おそらくこの方の義理のお母さんとナメクジ退治を行った。あ、私自身は騒いでいただけだったけれど。
大田区「はすぬま温泉」は2012年リニューアルの今井建築。こちらではサウナ―の友人たちと連れ立って、サウナでのお決まりのカサイさんスタイルを広めたり、褐色の水風呂で身体を冷やしたり、その後のお好み焼き、カラオケの二次会まで含めてとても楽しかった思い出だ。
中野区「一の湯」だけ未訪問で、沼袋にあるのだそう。アメニティがたっぷりだそうで、すぐにでも行きたいと思った。

パネルのお話は、銭湯一家の娘としての人生と、跡継ぎの旦那さんとの結婚後の人生と、お二人ずつ銭湯に足を踏み入れた背景が異なり、とても興味深かった。一日のスケジュールや家業についての思いなど、銭湯を支える女性の視点を聞くことができた。どんな形にせよ、今はおかみさんとして、まちのお風呂を守っているのだ。ちなみに、「銭湯をやっていてうれしいことは?」のお答えは「いくつになってもお姉さん」と呼ばれること、だそうなのでぜひ実践していきたい。

パネルディスカッション二つ目のお題は、「『斜陽』『成長』いったいどっち? 話題の経営者が銭湯の今を語る」で、パネリストの面々は下記の4名の方々だ。
・佐伯雅斗さん(立川市・立川湯屋敷 梅の湯) 銭湯+漫画で集客アップ
・樋口浩司さん(港区・麻布黒美水温泉 竹の湯) 結婚を機に銭湯業界へ
・島義之さん(大田区・蒲田温泉) 銭湯グッズ販売の先駆け。大宴会場も人気
・梅澤重成さん(台東区・堤柳泉) 銭湯でランニングイベントを開催

こちらも、大田区「蒲田温泉」のみ未訪で、どんなグッズがあるのか、宴会場での飲食なども楽しみに、近々訪れたいと思った。
立川市「立川湯屋敷 梅の湯」は、サウナ―の親友と訪れ、休憩スペースのリクラインニングチェアですっかり転寝をしてしまった。ご主人曰く、陳列が趣味だそうで、どんどんマンガやフィギュアが増えていっているそう。「このマンガないんですか?」と聞かれると意地で入荷しがちとのこと。
港区「麻布黒美水温泉 竹の湯」は、ご主人は養子だそうで、なかなか奥さんの両親に意見がいえないのだそう。でも、訪問時の親切さや黒美水の水風呂、とても気持ちよかった。杉並区「ゆ家ごころ 吉の湯」と姉妹店で、「竹の湯」の温泉水を運んでいるので、そちらもとてもよかった。
もう一つは「『斜陽』『成長』いったいどっち? 話題の経営者が銭湯の今台東区「堤柳泉」は、三色の変わり湯がとても楽しくて、ランナーの利用もとても多いのだとか。ご主人もサブフォーのランナーなのだそうで、訪問した際もとても元気よく挨拶をしてくれた。ここのサウナも、薄暗くてとても居心地よかったなあ。人気店の犇めくエリアだけれど、どこもいい。

お話の中では、廃業となる銭湯、集客が成功する銭湯の違いや、ご自身の集客アイデアについて議論され、グッズ販売や入浴以外の銭湯での過ごし方の提案など、そして新型コロナウイルスが銭湯に与えた影響や対策も伺うことができた。

私自身も、緊急事態宣言中は流石にお遍路は控えたけれど、ともすると銭湯経営は悲惨な状況だっただろう。そして、自宅にお風呂の無い高齢者の方々も、毎日通う事は避けていたかもしれない。銭湯自体がすべて廃業となったとしても、正直私自身は、死なない。だけれど、まちの元気、挨拶、常連さんとの会話など、一度無くなったものはそう簡単には戻らないだろう。だから、いま、こうやって銭湯を支えてくれているおかみさん、ご主人たちの生の声を聴く事が出来て、ますます応援したいと思った。

ちなみにパネルディスカッションの最後には、新銭湯大使の紹介、プレゼント抽選会もあったのだけれど、プレゼントはトートバッグ、横尾忠則氏の銭湯PRポスター、入浴券5回分、いずれも外れました。がーん。

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