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世田谷区 藤の湯

2020.10.26.

基本的に、月・金を在宅勤務に設定しつつある。というわけで、本日も勤務終了後、チャリで爆走、50分ほどか。世田谷通り、環八を経て、へとへと、汗だくで到着。ちなみに昼休憩にも8kmランニングしたので、健康的な汗はそのおかげもあるのかも。

電車で行くならば、東急田園都市線「用賀」駅から徒歩10分ほどで、調布界隈の方はきっとそっちの方が楽だと思う。だって、環八で何度轢かれそうになったことか。

「東京銭湯」の記事では素敵な写真を観ることができる。あー、また行きたい!環八からは、小道を入ることになるのだけれど、この道がわかりにくい。でも、見つけたら最後、とっぷりと、その雰囲気に沈んでしまうだろう。だって、屋根が素敵なんだもの!

さささと入店。例によって回数券でお支払いし、脱衣所でさっさと脱ぐ。この広い空間も、浴場を期待させる造り。60年ほど前に建てられ、30年ほど前にリノベーションされたそうだが、昭和初期から建っていそうな、歴史を感じさせる内装。

浴場に入ると、東屋(あずまや)が。それが何なのかと解説すると、屋根と四方の柱だけで組まれた小さな建物のことなのだそう。天井もしっかり高く、その下には、檜の浴槽。この湯船に入ると、香りが鼻腔をくすぐってくる。カランで洗いながらも振り返って見てしまう、水面がほわわんと揺れて、きっと軟水なんじゃないかなと期待が高まる、その湯船。入ってもよし、見てもよし。

東屋も気になるのだけれど、浴場正面のタイル絵も素晴らしい。根津美術館に所蔵される、国宝の「燕子花図」(尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀 紙本金地着色 6曲1双)を佐賀県・有田の職人さんに依頼し、有田焼で完成させたのだそう。その下には、マッサージ湯二席、バイブラ湯が並ぶ。これは見惚れてしまうよなあ。燕子花自体は、根津美術館でも五月の連休時に最盛期を迎えるのだけれど、今年は鑑賞することが出来なかった。感染症拡大の影響でね。でも、ここに来れば、いつでも観られるのだよなあ。

脱衣所に戻り、ふと見ると、荷物置き場の台が並んでいて、その脚にはテニスボールを半分に切ったものがはめられている。きっと、床を傷つけないための工夫なのだろう。いいなあ、こういう心遣い。外に出て、女将さんに姉妹店について伺うと、新宿区「塩湯」だそう。ほー、なるほど。そうきたか。「あちらもいいお湯でした」なんてお喋りしつつ、浴場図を備忘録的にイラストにしていると「え、プロの方?」と聞かれて、ちょっと嬉しい。帰り道についてお尋ねすると、「遠いと思うけど、暗いけれどお気をつけて」とお声がけいただく。きっと、また来る。檜の香りを嗅ぎにね。

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