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杉並区 大和湯

2020.12.18.

残業後に、といっても在宅勤務なのだけれど、こちらに。

お遍路二周目終了まであと四軒。今日は丸の内線「東高円寺」駅から徒歩7分くらいのこちらに。

例によってフロントのおばあちゃんに回数券でお支払い。スタンプをいただきつつ、事情聴取。こちらは姉妹店はないが、江戸っ子三代目の銭湯だそう。港区の香料卸問屋から銭湯に鞍替えして71年、元銭湯で倉庫となっていたこちらで銭湯経営をはじめ、こちらを建ててから既に40年が経過しているそうだ。再建したこちらも、天井が高く、空間が広い。フロント前の小さな応接間のようなスペースも、感染症拡大前はおしゃべりの楽しいおばあちゃんたちでいっぱいだったのかな、と偲ばれる。

おばあちゃん=先代の奥様と15分ほどおしゃべりはつづく。ご本人は岩手で女学校の一期生だったとかで、192X年あたりに生徒だったとすると、9X歳?んな事ないか。とにかく可愛らしいおばあちゃん。途中で、三代目の息子さんが登場し、青梅街道から先は戦時中に倒壊させた町も多く、ここは古い家が多かったのだと教えてくれた。

話は尽きないが、そうもいっていられないので、浴場へ。立ちシャワー、カラン、奥は熱湯の座湯二席、電気風呂、やや熱湯のバイブラ。そして、水風呂とサ室が並ぶ。

常連さんがお一人いて、「あっち(のカランのほう)が温かいよ」と教えてくれたり、リトル姉さん(小学生らしき一人客の呼称)がいたり、「あ、ここ備え付けないんだー」とひとりごちていると、常連さんが「シャンプー、石鹸は入り口でもらえるのよ、取りに行ってあげようか?」と優しすぎる。客層に恵まれているんだろうな、と思った。それは、一代目から守ってきた、お風呂屋さんの矜持に依る宝物だと思う。って、なんのこっちゃ。

いや、このご時世、外出自粛が声高に叫ばれる中、銭湯は多くの人々にとって、生活必需品ではないのだ。そんな折、閉店となる施設のなんと多いことか。感染症拡大だけのせいではなく、経営者の高齢化、施設の老朽化、利用者の減少、資産の有効活用、この四つに集約されると思っている。施設が古くなってきたところに、後継も居ない、さらには利用者も減り、と負のスパイラル。今年は、特に利用者の自粛が特に痛手となったことは想像に難くなく、人気の銭湯も複数廃業となってきた。そんな中、元気に頑張っている施設に、元気に通えることはラッキー以外のなにものでもなく、こう書き連ねていることで、一人でもどこかの銭湯に足を運んでくれたらな、なんて思っているが、誰なんだ、私は。

細かいことは置いておいて、私の滞在時間は貸切だったのだが、こちらの銭湯は最の高だ。

熱湯でしっかり温まり、その後はサウナへ。
室内に湿度はほぼ感じないが、カラカラもしすぎていないように感じた。何しろ古く、先輩方の背中の跡は見て取れるが、木のささくれなどは丁寧に鑢がけしてあって、全くカサカサしていない。むしろ柔らかい足裏触りだ。赤ちゃんのお肌みたい、かどうかは知らんけど。12分計も砂時計も、時を知らせるもの、テレビもない中、通気口から聞こえる水の音が心地よい。

近かったら、ここがホームに抜くなるはず。何でこんなにみんな行かないのか。嘘だと思ったら・・わかるね?


サウナ:12分 × 5
水風呂:1分 × 5
休憩:3分 × 5
合計:5セット
サ 90℃ 水 17℃

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