長野県塩尻市 信州健康ランド
2020.10.04
トンボの湯を出るタイミングで、今回お会いする予定の長野県のサウナー、あかさんに到着時刻をご連絡。すると、あかさんは既にお仕事を終えており、おそらくお土産を携えて現場に向かっているとのこと。ならば急がねば!と運転係が急いで走る。
さて、いまさらではあるが、あかさんが何者であるのか、知りたいですよね?
愛知県のサウナー、サウナース女史曰く「自称・長野四天王」のひとりだそうで、信州を東西南北に分けて縄張りが定まっているとかいないとか。四天王がいるのならば、ほかの3名についても本人に聞くしかない。なんせ、自称だからね。
意地悪な人に「じゃあアンタは何の四天王だ」なんて聞かれたら、東京でもなく、三多摩地域でもなく、調布市辺りでは名乗れるのだろうか。いや、自信ないな。どうでもいい話だが、私自身、中3の頃、陸上の都大会で200m走の3位になったことがある。女子の走者がなぜか3人だけだったからなのだけれど。当時は都の四天王だったわけですね、せまーい分野ではあるが。よし、先を急ごう。
個人的な印象では、私がお慕い申し上げる広島のサウナー(多分サウナには片足も突っ込んでない)のゴードン氏のサ活コメント欄で俺流を貫く人、さらにいえば、ご本人のサ活ではほぼ毎回、マッサージチェアにうつつを抜かし、よく見積もってマッサージチェア執着野郎、人のことを悪くいうのはよくないから、悪くいえば、は、ご自身の心に問いかけて欲しい。
というわけで、カクカクシカジカである、あかさんなる人物を知ること数週間であったが、私たちのツアーに友情出演しないかとの連絡をつい先日試みたところ、快諾の連絡があり、この日を迎えることになったのだった。
メンバーのうち、肉まん女史はあかさんとのやりとりを二年ほど続けており、あかさんへ過剰なまでの幻想を抱いていた。トンボの湯を出たあたりから挙動不審になり、「あかさん待たせちゃ悪いよ」「あかさんどんな人かなあ」と子ども班らしさ爆発。たしかにどんな方なのだろう、楽しみだねと車内でわいわいしながら車は走る。
ちなみに今回、あかさんへのおもてなしは、
・心を込めたお土産の数々
・余興とローストチキン(瀬川のむしり)
・想像似顔絵のプレゼント
を手配した。ローストチキンはお昼に食べちゃう予定だったけれど、お腹いっぱいで夜に回したのだった。
我々のおもてなしを、長野の「自称・四天王」に喜んでもらえるかは不明だが、怖い方でありませんように、と願うしかない。
出会い方のイメージとしては、マッサージチェア執着中のあかさんを四人で囲み、わっ!と脅かしたい。ということで、既に小一時間サウナで過ごして待っていただいているが「少し泳がそうか」「早く行こうよ」とこちらサイドは衝突しながらも、「四人でいるとバレるから散ろう」などともたつきつつ、入館して部屋を取ったり、布団を敷いてもらう敷いてもらわないとか、延長コードがどうとかこうとか、既に騒がしい四人(今回は主に私)でチェックインをした。
フロント脇で「館内着なのかな、あかさん」「あ、こっち見てる、あの人」と騒がしい肉まんを制しながら起立していると、そろりそろりとノッポのおっさんが近づいてくる。あかさんか、あかさんなのか?
「どうも」と声をかけてくる、チェックのシャツとデニムで現れたおっさん。「あ、あかさんですか」とうら若くない女子、というか女児2名とおっさんとの対面。完全に、出会い系である。おっさんと挙動不審なオンナ子ども二名、立ち話もなんだけれど、座る場所もないのでご挨拶して、そこから先は何を話したのやらあまり覚えていないが、多少の悪ふざけは多めに見てくれそうな方だなという確信を持つことができた。こちらは荷物も多いので、大宴会場での再会を約束し、荷物を置きに部屋に戻った。
部屋に着くと8畳くらいの和室で、個室はいいねと思った。前日や前回のように、リクライニングチェアとはいえ、ツアーメンバーもそこそこのいい年。職場でいえば、新人の部類ではない。やはり個室はとても落ち着く。普段なら、お茶でも飲んでお菓子でもつまんで、座布団でほっこり、なんてところだが、あかさんは既に小一時間待ちぼうけだ。我々は前日にあかさんを想像しながら似顔絵などをしたためており、イメトレはばっちりだが、あかさんは居住地にも近いホームエリアとはいえ、仕事帰りでよくわからん四人組と対峙しなければならない。我々よりも挙動不審に違いない。私だったら、そんな会にはいかないだろう。「死んでもやーだね!」である。
そうこうして、モタモタと大宴会場に向かい、とりあえずのビールなどを発注し席に着く。自己紹介はさておき、誰が誰なのか当ててもらおうクイズをしたが、すぐに当てられてしまい、話が尽きた。そんなこともあろうかと、お土産の似顔絵を見せながら、どれが一番似ているか、似ている順に個人的なお土産を渡すゲームも用意してある。
肉まん、ラー子、ガガサワなどがそれぞれ熊本土産、もらったナス、駄菓子、往路のパーキングエリアで買ったものなどを渡し、最後に四番目に似ている似顔絵を描いた私は、手製の花器をぐい飲みということにしてプレゼントした。一番喜んでいたのは、肉まんが持ってきた熊本県・湯らっくすの手ぬぐいだった模様。サウナ―ならではの聖地のお土産は喜ばれるんだね。
なお、あかさんからは長野県産のシャインマスカットをいただき、一粒食べたらその爽やかで上品な香り、大粒の食べ応えと控えめな甘さの喉越しのよさに驚いた。聞けば、出勤前にもいで来てくださったとのこと。とてもうれしく、美味しかった。
アルコールも進み、それぞれあかさんに質問したり、しなかったり。私は気になっていたマッサージチェアの機能性やあかさんお気に入りの「あんま王」初代から四代目までのそれぞれの一言ネーミングを聞いたり、聞かなかったり。それ以外は何を話したかあまり覚えていないが、宴もたけなわ、ラストオーダーも過ぎた頃、部屋で飲み直しましょうということになり、部屋に退散。
ラー子以外はそれなりにお酒も進んでいるが、酒だ酒だということで、氷とお水を用意して、正装であるこちらの館内着を着用の上、あかさんを待ち受ける。館内着は、滑りもよく、人気なのも頷ける代物ですね。さて、お酒は前日に飲み残した焼酎のボトルのみで、若干心許なかったが、まあいいだろう。
あかさんは間もなくやってきて、全員館内着で集合。乾杯をしてからは記憶が曖昧だが、カニを食べる要領でローストチキンを原始人スタイルでむしゃむしゃ食べ、おしゃべりもしばし封印。鶏のいろいろな部位があらかたあり、「私はウイングがいい!」「手羽先も食べたい!」などとはしゃぎ、5人で1.5羽を食べ漁った。原始当時は、偉い人がたくさん食べるとか規律もあったのだろうが、お構いなしで、大人班、子ども班ともに肉食の時を楽しんだ。
そして、お昼に踊ったばかりの「ランニングマン」のダンスを披露したり、それぞれが余興を行い、小一時間が過ぎた頃だろうか、子ども班の肉まんが寝っ転がり始め、早くも就寝。あかさんと眠りこけた肉まんを布団まで運び、意外と重いんだな子どもって、と思った。
大人班は、飲んだり踊ったり、暴れたりと、あかさんはさておき、隣のお部屋の人たちにお詫びして回りたい。大半失礼しました。主に私が騒いでおりました。ごめん。
とはいえ、あかさんも「修学旅行のようだった」と楽しんでいただけたようで、ものまねまで披露してくれた。あまりものまねをすることに慣れていないようだったが、似ていないながらに人柄を感じさせるものまねだった。
あかさん退室後は、お風呂に行くことも考えたが、もう既に日に三回入っていたので、水戸黄門よろしく、この辺にしておいた。それからは、ツアーメンバーにしかわからない、あんなことやこんなことをおしゃべりし、この歳になってこういうバカ話やツアーをできることへの感謝、家人への感謝、世界の平和を祈りつつ、眠りについた。
翌朝は、短眠党のラー子が起こしてくれ、ガガサワの「あと5分!」に便乗したかったが、この後も予定は詰まっている。朝風呂に入り、あかさんをお見送りして、朝ごはんを食べ、松本に行くのだ。いろいろ考えた結果、起きて朝風呂に。
前日訪れた系列の石和健康ランドと似ていてサウナもお風呂も多種多様。塩サウナでの大粒の塩の触感や溶けて流れる汗の気持ちよさ、ピンクリボン風呂の香りのよさ、高濃度炭酸泉の心地よさなど、満喫できた。小一時間の朝風呂だったが、半日くらいは居候したい施設だと思った。
ここから直接出勤する、と前夜事情聴取も済んでいたので、あかさんを全員でお見送りしようということに。なぜか応援団のようなエールを送り、フレーフレーと言われたあかさんは、照れながら「押忍!」と雄叫びをし、肩を震わせていた。短い間でしたが、お世話になりました!あかさんのことは忘れても、シャインマスカットのことは忘れません!と胸に秘めながら、朝ごはん会場へ。後日談だが、肉まんが「毎年10月はあかさんに会いに来よう、シャインマスカットをもらおう」といっていたことを付記したい。
ツアー最終日の疲れはあるものの、食欲だけはある我々一行。揚げたてドーナツやらリンゴジュースやら、そしてご馳走様間際に「ドーナツ揚げたてができました!」の掛け声でもう一個もらったり、朝からお腹ぱつんぱつんになった。ちなみにドーナツは揚げたてよりも、少し時間をおいた方がカリッと感が増して美味しいということがわかった。
わらわらと会計を済ませて施設をあとに、全員で松本民芸館で展示を楽しむ。昨年家人と来たばかりだが、また一緒に来たいなと思ったことを、いつまでも憶えていたい。忘れそうになったら、誰か教えてほしい。
民芸館のあとは「大倉チーズケーキ店」でホールケーキとレアチーズを購入。みんなもなんやかやと購入していた。ここ、美味しいんだよ。その後は、それぞれ趣味も体力も性別も財力も異なるので、自由行動。点呼をして、小一時間後に待ち合わせとなった。
ラー子は支柱神社で御朱印をもらいに。ガガサワはレンタサイクルで松本城まで。肉まんはソフトクリーム活動とみなそれぞれに楽しむ。私はといえば、家人に蕎麦を買って帰ろうと思いつつ、昨年器を爆買いした「陶片木」で雑貨見物。愛用している湯飲みを作った作家さんの新作などを、レオナール藤田似の店主とおしゃべりしながら品定め。といいつつ、時間も限られるので、「また来ますね」と店を後に、蕎麦のことも忘れて待ち合わせ場所に。
一行は賢さを発揮して、渋滞を避けるために早くも帰路に着く。今回は大きなトラブルもなく、迷子、行方不明も出なかった。もしトラブルがあったとすれば、あかさんとの会だろう。なんであんなに騒いだのか。私がやったトーマスの真似も、ラー子と演った獅子舞も大してウケなかった。なんだったんだろう、楽しかったけれど、ひどく疲れた夜だった。
サ旅はハレ、ホームはケ。こういう新しい場所で、仲間たちとわいわいサウナを楽しむのも一興、そしてまた、再訪するホームでの慣れ親しんだ入浴も欠けがえのないものである。
今回は、トイレットペーパーの巻き取りがうるさい、施設を利用する際は気がついたらモップ掛けなどお掃除もすること、いいたいことだけをいって不貞寝するな、などの改善点にも気づくことができた。ラー子の民度、ガガサワの大人しさ、肉まんの毒と飴の使い分けなど、学ぶこともできたりできなかったり。
またみんなでサ旅行こうね。