見出し画像

江東区 富山湯

2020.11.04.

都営新宿線「神保町」での仕事帰りにこちらに。

例によって回数券でお支払いし、番台のお姉さんに姉妹店について伺うが、あまりお詳しくなさそうなので諦める。

脱衣所は広々。おそらく、実面積ではなくて、天井の高さがそう感じさせるのだろうね。ビル銭湯ではこうはできないものなあ。下町ならではなのだろう。

浴場は、山々が描かれたペンキ絵で、男湯の方に富士山らしきがチラッと見える。こちらの山は富山の山々なのだろうか。というか富山からも富士山て見えるのかな?ペンキ絵は通常は一枚絵だと思うのだが、こちらのは天地100cm×左右200cmくらいの板が大きな壁を覆っている。継ぎ目がやや傷んでいるが、手前の水辺、白い砂浜、奥に山々と美しい。砂浜には女の子なのか巫女さんなのかが連なって歩いていて、ペンキ絵に登場人物がいるのも面白いね。中島盛夫画伯の令和元年5月25日のサイン入りだ。ちなみにこの直前の絵は、富山県とコラボレーションしていたそうで、北陸新幹線が描かれていたのだとか。観てみたかったなあ。

さて、レイアウトは、手前洗い場、ペンキ絵の下は左から45度の白湯、ジェットバス二席、日替わり湯は玉露カテキンと至ってシンプル。しかしここのお湯は熱い。日替わり湯は38度くらいだったけれど、長湯できない。それにしても、ここの日替わり湯の濃さったら。おそらく、都内銭湯ではベスト3に入る濃さではないだろうか。墨田区「薬師湯」よりも濃い、とイメージしてほしい。風呂上がりには先程のお嫁さんの代わりに番台を預かる女将さんにお話を聞くと、ご主人が濃さにはこだわっていて、薄くなると直ぐに足すのだとか。玉露かどうかはわからなかったが、昔夏に飲んだ抹茶風味の甘いお茶のよい香り。飲んでみればよかった。

女将さんと話を続ける。戦前に創業し、現在三代目で、創業者は石川県出身で富山にも住んでいたので、この名前にしたのだとか。石川・富山の方はあまりライバル意識などないのだろうか。姉妹店は、同じ大島の愛宕神社近くに建てた「愛宕湯」と、相模原に建てたもうひとつ。いずれも30年くらい前に廃業してしまったそう。

「熱くて気持ちよかったです!」と伝えると「うちのお客さんは熱湯が好きな方が多くて、あまり薄める人がいないから」となこと。長湯はできないけれど、寒くなってきたこの季節、とても気持ちいいお湯でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?