「御社の面接内容は身の丈に合っておりません」

はじめに

当ノートは、会社経営社とは正反対の立場から貴社の知らないことをノートしてゆくものです。特に経営者に向けたノートになっております。どうぞよろしくお願いします。


身の丈に合った…とは

早速、件の「御社の面接内容は身の丈に合っておりません」についてです。経営者、あるいは面接担当の方はきちんと身の丈に合った面接をしていますか?「身の丈に合った」とは、貴社の事業内容や規模、セグメントを理解しているかということです。

立派な経営者の皆様ならばこのような心配は無用だと思います。特に大企業の経営者、面接担当の方は回数を重ねていますし、経験として質問の質は磨かれていると思われます。

しかし、中小企業ではどうでしょうか。中小企業はその規模から多くのライバルや同業者がおり、差別化が難しい環境です。そのような環境で「身の丈に合った面接」ができているでしょうか?

具体的な例をひとつ取り上げてみます。


「それ、うちじゃなくてもいいよね?」

”よくある質問”です。面接官はよく使う質問ではないでしょうか。まずこの質問の意図と効果についておさらいしてみます。

質問の本来の意図

この質問の本来の意図はおおよそ次の通りです。

(1) 企業や事業内容のミスマッチの防止、リスクの軽減(面接の意義)

(2) 企業研究の程度の確認(選考の意義)

うちでなきゃダメな理由を問うていますが、間接的にこの2項目について問うている質問です。

この質問からプラスアルファ何を求めているかはその企業により異なるので、これ以上の事については省略します。


質問の効果

1つ目の項目は、双方の希望を照らし合わせミスマッチを減らします。面接という形をとるそもそもの理由です。

2つ目の項目は、きちんと企業について把握し、またその企業を取り巻く環境を把握しているかどうかを確認します。企業で働いてもらう以上、「ここはどこ?私は誰?」状態では困るわけです。企業が選考をする材料になりえます。


この質問は使う企業によってはムダ

(ただ優越感に浸りたいだとか、論破したいという理由でこの質問をしたのであれば「面接とは」でググって出直してくる段階でありお話になりません。)

この質問の間接的に問うていることは上記”質問の効果”の2項目目ですが、直接的に問うていることは自社でなければならない理由(他社との差別化ポイント)です。これを答えなければ問答が成り立ちません。

ところで、貴社に差別化できるようなポイントはありますか?

差別化できるポイントが無いにも関わらず、この質問をし、答えられないから不採用ということでは一生社員を雇うことはできないでしょう。これが身の丈に合っていない質問です。

「はい、御社じゃなくてもいいです。」「家から近いから。」むしろ、志望してくれていることに感謝すべきでしょう。

これは特に競争の激しい中小零細に見られる状況です。例えば、SES事業の企業や開発資金が無い中小零細企業や町工場です。これらの企業がこの質問を使うべきではありません。価格だけで何とか競争に勝てているような点は強みでも差別化でもなく、消耗している企業です。


どのような質問をするべきだったか

どのような質問をするべきかは簡単に言えば「身の丈に合った質問をする」ことです。これはこの質問に限ったことではなく、面接全体のスタイルが変わることになります。

それで貴社がするべき質問を、貴社の状況を踏まえて考えてみましょう。


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