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今年こそ、たくさん旅したい。まずは草津温泉へ

 お正月は、草津温泉に出かけた。

草津温泉へは、列車だけではたどり着けない。

在来線や特急列車で長野原草津口駅へ行き、そこからバスに乗り換え約30分で草津温泉へ。バス車内で、隣の席に座った女性から、「草津温泉が今、とても人気」と聞いていたが、実際、草津温泉の中心部「湯畑」は、驚くほど大勢の人でにぎわっていた。

 雪がところどころかたまり、滑りやすくなっている路面を若い世代や外国人観光客が慎重に歩いている。こんな寒い時期に、決して便利ではない草津温泉にこれほど大勢の人が来ているとは驚いた。

 20年位前に草津温泉に来た時のイメージと全く違う。その頃の印象は、地方の傾きかけた観光地。古い温泉街といった印象だ。ところが、今の草津温泉は、おしゃれで、大分県の湯布院のような雰囲気だ。アジア、ヨーロッパ。さまざまな言葉が聞こえてくる。旅館のスタッフいわく、「世界中の方が温泉好きなのですね。これほど草津温泉に各国から来るなんて、驚いています」とのこと。

 ここまで人気となったのには、いくつか理由がありそうだ。
まずは湯畑を中心とした整備。草津の名物は湯畑である。湯畑は標高1,156メートル。雪が舞い、日中も氷点下だ。ぴゅーっと風が吹くと、前も横も見えないほどの真っ白な湯気に包まれる。夜は幻想的なライトアップ。湯畑を見るだけで、草津に来た喜びにひたれる。その湯畑の写真を撮っていたら、新しくできた「手洗乃湯」を見つけた。草津温泉は、酸性で、殺菌力があるといわれている。温泉のお湯で手を洗おう、ということだ。コロナ禍を逆手にとったような作戦だ。

 湯畑を中心として、さまざまな飲食店がある。歩きたくなる街の雰囲気。おしゃれなカフェがあったり、美味しそうな焼き鳥、プリン、せんべい、ぬれおかき(見た目は焼き鳥)。そして、温泉もたくさんある。到着早々、西の河原温泉へ。25メートルプールのような広い露天風呂。翌日は、御座之湯。内湯だけだが、湯畑の源泉と、万代の源泉、異なる泉質を楽しめる。

 湯畑を囲む石の柱には、草津温泉を訪れた著名人の名が刻まれている。源頼朝、松尾芭蕉、小林一茶・・・今の姿にきっと驚いていることだろう。
温泉街の力強さを感じた。

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