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温泉小噺 伝言?

あまり気持ちの良い話ではないのですが。

常湯のうちの1つにて。
「あのね!」
脱衣所に入ったとたん、おばさまから声がかかる。
1,2回はすれ違ったかもしれないけどもちろん知らない人だ。
「男性トイレにね、へびが出たのよ!」
「受付のおじちゃんが、はさんで外に逃がしたのよ」
「あんまり暑いから日陰を求めて入ってきたのかも」
「ねずみかモグラを追ってきたのかも」
「青大将よ!」
それはもう矢継ぎ早に報告される。
「トイレ使うときとか、よく見らんと!」
そ、そうですね・・・・。

お風呂の中でも へびの性質は あーだこーだ、
青大将はこうだ、マムシはこうだ。
昔にわとりを飼ってた時にたまご盗まれて。
とかヘビ話は続く。
そして。
ほかのおばちゃんがはいってきた。
「へびのこと、言っておかんと!頼むね、じゃ」
最初のおばちゃんは あがっていった。
え。
これ伝言していかなきゃいけないんだっけ。

「えっと。男性トイレに、青大将がでたそうです」
「えー!」
へびは、あーだこーだ・・・・青は毒はないけど、
やっぱり見るのはイヤよねー。などなど。
またヘビ話がはじまる。
以下続いていく、きっと。

後日談。
数日後に同じ温泉に行ったら。
「あんた、ヘビが出たことは、聞いたな??」
って確認されて。
そしてまたヘビ話がはじまっていた。
知らない人にもちゃんと皆、伝えてるみたい(笑)
みんなで危機管理を伝言することはいいことだ?



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