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温泉小噺 伝言、つばめver.

先日、へび伝言が行われた温泉とは別のところ。

脱衣所でまた見知らぬ方から声をかけられる。
「扉や網戸を開けたままにしてるから。よろしくね」
「えっ、はい・・・」(暑かったのかしら?)
「つばめが入ってんのよ、出ていけないもんだから」

なるほど、今度はつばめか・・・・
あちこちぶつかったりして逃げ回ってるならかわいそうに。

浴室に入ってみると、つばめが1匹飛んだり、とまったり。
いつもは閉められている露天風呂への扉が、
開いたままになっている。
それと、大きな窓も、いつもは虫が入らないように
網戸をしっかり閉めてあるのだが、これも半分くらい開けてある。

ちょうど一緒になって伝言を申し送られた見知らぬ人と、
しばらく観察。
ここはとても天井が高く、飛ぶのに閉塞感はないだろうけど、
高い場所の窓付近をうろうろしていて、
やさしい皆がせっかく開け放してある扉や窓の位置まで降りてこない。
高い位置にある窓は、はめ殺しになっていて開けられない。
なんとか外に出してあげたいのだけれど、
こちらは文字通り丸腰だし何の道具も知恵もなし。
自分で飛んで出てもらうしか。

で、「窓や扉、開けてあるからね」と次の人たちに
申し送りをして去るしかないのよね。

温泉の受付のおばちゃんは、当然、
お風呂からあがってくる人から 次から次に
「つばめ入ってきてるよ、出してやって」と言われている。

「あとでお掃除の時間に何とかしてみるけどねー」
「毎年入って来て、毎年出れなくなるこがいるのよ」
などと ツバメ話に花が咲いていた。
無事に脱出できますように。
また今度行った時、確かめなきゃ。


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