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【新温泉町×ユビレジ ワーケーション④】百聞は一見にしかず。実施前の視察訪問。

こんにちは。新温泉町×ユビレジ ワーケーションの情報発信担当の松本です。今回はワーケーションプログラムを実現するまでの打ち合わせ過程に焦点を充てた記事になります。

キックオフ:8月某日

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もありオンラインでの顔合わせでした。改めてお互いの期待値を明確にすること、今回の取り組みを通じて何をゴールとするかを合意形成するための時間でした。

キックオフ時の新温泉町の思い
- ユビレジのサテライト拠点を新温泉町に作れるところまでいけると理想
- 課題解決を前提とすると全3回に可能であれば同じ人にきて欲しい
- 観光する場所というよりは「仕事が捗る場所」「リフレッシュできる場所」としてどう受け止めてもらえるか

キックオフ時のユビレジの思い
-「社員の意識が変わった」「業務効率が上がった」などが声として聞こえてくると理想
- 課題解決に否定的なわけではない、メンバーが主体的に関わりたいと思えるテーマが見つかるような設計ができるか
- 取り組み内容次第でユビレジのCSR活動として発信していくことも可能性としてありえるのでは

新温泉町としては、リピートにつながる鍵と考えている「課題解決」の取り組みにいかに参加メンバーを巻き込んでいけるか

ユビレジとしては、ワーケーションの主体としての「ワーク」がちゃんと尊重されるか

通常業務と課題解決とどうバランスを取るのかを模索する議論が続き、最終的には一度現地に行ってみて判断しましょう!ということに。その他、ワークをする環境として確認すべき事項として、

・光回線のインターネット環境
・オフィススペースの机や備品
・オフィススペース周辺の食事環境
・移動(航空券・町内移動)
・コロナ禍における対応方針
などを確認。

第三者的に思うのは、ワーク寄り・ワーク前提のワーケーションを受け入れる際(特に法人を受け入れる際は尚更)の、ワーク環境で何が求められているのかは一度ちゃんとすり合わせが必要だと思います。(何がポイントになりそうか、これは別の記事で改めて記載したいと思います。)

事前視察:9月某日

東京から新温泉町へ道のりは、羽田空港から鳥取空港、鳥取空港から新温泉町へ車移動。(今回は新温泉町の方に随行頂きました。)
ちなみに・・・鳥取空港の正式名称は、

鳥取砂丘コナン空港!!!

ってみなさん知ってました?!ANAが飛んでいます。
羽田空港から鳥取空港までは06:45 - 08:00、09:10 - 10:25、13:05 - 14:20、16:40 - 17:55、19:20 - 20:35の5便が飛んでいます。

事前のブレインストーミングでは、朝市セリ体験、地元のおばちゃんとスルメイカ麹作り、かんじきハイキング、海洋ゴミ拾い、但馬牛、特産品の定期便企画検討、星空観察、しいたけの着菌体験など、課題解決よりなものから、観光コンテンツまで幅広く出した上で、課題解決に繋がる可能性が高いものを優先的に3日間の中でお伺いしました。

視察1日目

道の駅浜坂の郷

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まず最初に新温泉町の道の駅である浜坂の郷を訪問。
正式名称は道の駅「山陰海岸ジオパーク浜坂の郷」まさしく町の中心地に位置しており、とりあえずここを拠点に町を理解していく、各見どころに足を伸ばしていけると言っても過言ではないと思います。

休憩施設として、24時間利用可能なトイレ、誰にでもやさしいオストメイトにも対応した多目的トイレ・おむつ換えシート、パウダーコーナーなどがあります。各観光パンフレットもここで手に入ります。

また、道の駅らしく、特産品(農畜産物、海産物、ジャムや栃餅などの加工品など)コーナーや地元食材を使用したレストランが併設されています。お邪魔した時にはお昼時ということもありましたが、地元の人の憩いの場としても賑わっていました。(特産品コーナーはお野菜とかがかなり売れてしまっていたので、お漬物コーナーでご容赦。)

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道の駅の駅長さんと現状課題を伺う中で、お野菜などがどうしても収穫時期の偏りから大型契約は受けにくい、でも、ロスが出るのももったいないといったお話などをお伺い。

次に向かったのは、田井の浜。ここは観光MAPにも載っていない場所。砂浜ではなく玉石の海岸なのですが、押し寄せる波音と、波が引く時の玉石がカラコロという音がとても素敵な浜でした。ここだけで1時間ぼっと考え事ができるスポットだと思います。

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が、この浜数日前に清掃したばかりということなんですが、海洋ゴミで悩まされています。この浜だけではなく日本海全域の社会課題です。東京都が2015年に出していたレポートを全体像把握のために見てみるのもいいかもしれません。より具体的にご興味ある方は兵庫県のレポートもあります。

回収すれど減らないゴミ。処分費用は自治体の負担。人工物だけでなく自然物(流木)もゴミとなること。自分自身なんとなく問題なのは知っていたけど、ということはより身近に考えるようになりました。

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視察2日目

温泉のある生活を味わうということで早起きをして、湯村温泉の荒湯へ。足湯と温泉卵作りが楽しめます。そして、そこから歩いて5分、高台にある清正公園へ。朝の散歩で少し体をあっためて、温泉町を一望し、旅館の温泉ですっきりして、朝食。うーん、東京では味わえない朝のルーティンを堪能させてもらいました。これだけでも日中の生産性が上がりそうです。

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午前中は御火浦(みほのうら)へ。
景観を楽しむ・・ではなく、地元のおばあちゃんが、天然わかめを収穫し事業化に奮闘されているところをお伺い。メンバーの高齢化、ITの利活用ができていないこと、次の担い手不足、安定供給の問題などの課題を伺いました。

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午後は浜坂駅前のまち歩き案内所「松籟庵(しょうらいあん)」さんへ。こちらの施設には蓄音器が置いてあります。音をお聞かせできないのが本当に残念。実は新温泉町にはレコード針のニッチトップメーカーの日本精機宝石工業株式会社さんの本社があります。もとともと伝統産業である「縫い針」の工場としてスタートしたのが原点だそうで、今では宝石レコード針の生産へと移り変り、欧米を中心に海外からの注文が95%を占めるそうです。こういう地方のものづくりの話も歴史から伺うと面白さがありますよね。

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2日目最後は兵庫県立但馬牧場公園へ。こちらには但馬牛博物館が併設されており、どうやって但馬牛のブランドを守ってきたか。県外の牛と交配させず、近親交配もないようにするための工夫。そもそもお肉の等級のA5ってどういう考え方なの?!みたいなこともわかりやすく勉強できました。

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2日目を終えた時点で、急遽一度旅館で今後の方向性の洗い出し。受入側・事業者側が本音で膝突き合わせて対話することが何よりも大切だと痛感する時間。ポストイットは役に立ちます。

実際に現地に来て、知りたい情報(洗濯はできるのか、食事できるお店はどこにあるのか、どこがWIFIが強い弱いのかなど)の整理の重要性の確認などを行いました。

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視察3日目

この日は午前中に上山エコミュージアムへ。
新温泉町には、上山高原があり、ブナの森とススキ草原の双方があいまって、希少で多様な自然を有しています。密生しているササや灌木を刈り取り、ススキ草原を復元するなどの取り組みを行なっていること、上山高原で自然と共生してきた集落の知恵や生活を体験できるプログラムについて伺いました。

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午後は2時間みっちり総括。
どうやって自費でもリピートしたいと言ってもらうか?をゴールに。

ユビレジ参加者のことを考えると、
・ワーケーション自体が初めてのメンバーの不安を解消するための事前情報の充実
・ワーケーションがいいね。と言ってもらうためには、「非日常の中でリフレッシュできること」かつ「仕事に困らないこと」を実現すること

一方新温泉町の立場で考えると、
・限られた合間で新温泉町を知ってもらうためには、自由に動いてもらうには時間が少ないことを考えると、再訪につながりそうな面白いと思ってもらえる課題、なにかできることがあれば関わってみたいと思えるような課題にまず触れてもらうこと

こちらを踏まえ、
・本来であれば一人一人が自由に街を回り自分なりに課題設定してもらえることが理想ではありながらも、自由に課題設定するには時間が短いことから、新温泉町の魅力をワーケーションに来ていないユビレジメンバーに知ってもらうための「新温泉町不定期便」のようなものをコンセプトに、その企画の中で町を知り、またその不定期便が今後の社内のファンづくりにもつながればということから5日間の予定を組むことになりました。

名称未設定のデザイン (5)

これからワーケーションの受入を考えていらっしゃる自治体様は、ワーク寄りのワーケーションを実現しようと思った場合に、働く環境のこと、法人の経費処理やリスク管理のこと、法人がお金を出す理由のこと、観光とはまた違った観点が求められますので、その点は留意が必要と感じました。

また、事業者様も、必ず一度視察されることをお勧めします。(されるとは思いますが)どういったワーケーションを志向されるかによりますが、社員のみなさんにとって視野拡大のチャンスとなる種が転がっていると思います。

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