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地球のはなし この20年

本欄への執筆も、この4月で足掛け20年になる。
 この間、いろいろな方面でさまざまな事件があった。全くの私見によっていくつか挙げると、国際的には、ソ連の崩壊、テロの横行、世界経済の変調、国内では、バブル崩壊、雇用システムの脆弱化、国立大学の法人化(一般的ではないかもしれないが極めて重要と思っている)。これらは人間に関わるものだが、残念なことに高揚感とは無縁なものばかりだ。

 それにまた、火山噴火・大地震・大雨・大風など甚大な災害を引き起こした激しい自然現象が内外であった。
 具体例を思い起こすと、小事件には出会ったものの大事件には遭遇することなく、よくまあ無事に済んだものだと、幸運に感謝したくなってくる。
 こんなことを考えていたら、人間が関わる事件のいくつかは、少し前から始まっていた情報革命(IT革命)に駆動されており、もしかしたら、これこそが多くの事件の根源ではなかったかとさえ思えてきた。最近の世界経済の変調は、まさにそれではないのか。
 IT革命そのものは、これまでにない世界を私たちに提供し高揚感をもたらしているのだから、なんとも皮肉である。

この20年を振り返ったら、暗い話になってしまった。
この閉塞感からの脱却を切に期待したい。       (2010.4.26)


別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。

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