イタいけん「痛い体験談」とある団体の勧誘

これは私が大学に入学して間もない頃だから30年近く前の体験談です。

付属の高校からなんとか隣接する大学に上がれた私でしたが、同じ高校
から一緒の学部に来た人がほとんどいなかった私は大学で友人をつくろうとしているところでした。

たまたま気になったサークルに見学に行ったときに仲良くなったMというやつがいました。そいつは明るくて面白くて、学科が違うオイラにも毎日声を掛けてくれたり、聞いたことのないグループが歌う何かのイメージソングみたいな曲が入ったCDをくれたりしてくれて、仲間が少なかった私には当時とてもありがたい存在でした。

しばらくして、週末に大学の食堂で同じ学科の仲間と食事をしていた私にMが話しかけてきました。

M「まんじゅ~、明日の土曜日は何か予定ある?」

私「いや特にないけど・・・」

M「んじゃ、悪いけど明日俺に付き合ってくれない?ちょっと助けてくれ」といわれました。

Mの話す内容はこんな内容でした。
Mはある慈善活動をしているんだけど、週末にその活動団体の集まりがあって、そこに定期的に人員を補充しなければならないらしい。で、そこに候補の人間をつれていかなければいけないというノルマがあるらしいのです。

M「頼むよ。そこに加入しなくてもいいからつきあってくれ。誰かを連れて  
  行かないと怒られるんだよ~」
といわれ、仕方なく付き合うことにしたのだが・・・翌日、指定場所で待ち合わせをして向かった先は「宗教法人 ○○○○会」と書かれた会場でした。
まさか宗教だとは思っていなかったのでびっくりして、

私「宗教なんてきいてねーよ!」と文句をいったら

M「言ってねーもん。言ったら来てくれないだろ?まあ入信しなくてもいいからとりあえず話を聞いていってくれ」

といわれ、目の前まで来て断る勇気もなかったんでとりあえず中へ・・・

実は私のウチでは私が小さい頃に宗教絡みで家族親戚ひっくるめて揉めた事があったので(その辺はまた別の機会があったら)
宗教に関しては神経過敏になっていたんですよ・・・
今日出かける時も、友達と出かけるとしか言っていなかった。そんな状況で
もし入信なんかしたら、親に何を言われるか分からない・・

だからこの時も『絶対入信させられないように気をつけなきゃ・・・』と思いながらその会場へ入っていったんです。会場に入ってから大講堂のような場所へ集められ、その団体の代表らしき人が挨拶して演説が始まりました。
「当○○○○会は宗教法人を名乗っておりますが、宗教ではありません!皆様を助けるための手段として宗教法人を名乗っておるのです。」と私の心の中を見透かしたように弁明しておりましたよ、そのお方。

『いかにもうさんくさい・・・こりゃ早々に退散したほうがいいなぁ・・・』と考えていたら演説が終わり・・なぜか私はMに促されて小さい部屋へ連れて行かれました。
そこの部屋は6つほどに仕切られていて、私はそのうちの一つに誘導されて入りました。
・・・そこには髪の長いモデルかと思うような女性が椅子に座って待っていました。

『うわぁ~キレイな人だなぁ~』と見とれていると

女性「どうぞこちらへお座りください」
と女性の目の前に置かれた椅子へ促され、言われるままにそこへ座ると、

女性「今日はこちらへは入信しにまいられたのですか?」と聞かれたので

私「いえ、大学の友人に騙されて連れてこられました。宗教と知っていたら来ませんでした」と答えました。

すると女性は口元に手をあてながら微笑んで

女性「代表がおっしゃられたようにここは宗教ではありません。皆さんが幸せに暮らす為のお手伝いをしているだけです」と答えたんですよ。

私「いや、でもそれはまさに宗教・・・」

と私がいうとその女性は顔を私の目の前10cmほどのところまで、キスできそうなくらい近づけて

女性「あなたはまだ本質をわかっておられないのでそう感じるだけです。これから私がゆっくりお教えしましょうね。」とそのモデル並みにきれいな顔を近づけた状態でいい匂いを感じ、ドキドキ士ながら1時間ほど説明されました。

はじめのうちは説明の中に感じる矛盾点をぶつけていたのですが、そのキレイな女性と1対1でず~っと話をしているうちに思考能力が麻痺してきたみたいで・・・

いつのまにか入信希望書へサインをしていたみたいです。
幸いなことにまだ未成年でしたし、印鑑を持っていかなかったので仮入信という形だったみたいです。
帰り際、そこのバッヂと案内書みたいのを渡されてかえったんですが、どうやって帰ったのか記憶が曖昧でよく覚えてませんでした。

そんな状況で帰宅したんですが、母が

母「おかえり~今日はどこへ行ってきたんだい?」という問いかけにも私は反応が薄い。

そんな私に、おや?と違和感を感じた母は繰り返し私にきいたそうです。(この辺りも私には記憶がない)

私「うん、友達に誘われて○○○○会の集会へ言ってきた」とうつろな目で答えたそうです。

本当にこのやり取りも覚えてないんですよね・・・

その団体の名前をきいた母親は血相変えて

母「馬鹿かお前は!そりゃ宗教団体じゃないか!なんでそんなところへ!
  ・・・まさか入信したんじゃないだろうね?」という質問に対し

私「あそこは宗教団体なんかじゃない!素晴らしいところなんだ!」とムキになって反論したそうです、私。
そこでなんかいろいろと言い合ったらしいんですが、ラチあかないと思った母は右手で私の左の横っ面を思いっきりビンタしたらしいです。
その勢いで廊下に倒れこむ私・・そこでようやく私はぼんやりしていた意識がもどったみたい。

それから母はウチであった宗教に関する揉め事の一部始終を私に語ってくれたんです。
・・・まさにその話の中に出てくる団体とオイラが接触した団体は似てました。(やること、いっていることが似ていた)お布施と称して多額の献金をさせられていたこともあった。
その団体から脱退する時も半ば脅しのような言葉も言われたとのことでした。結果的にかなりの額を支払って、何とか脱退することができたということ。それだけ宗教というのはこわいものなのだと教えられました。

その話を聞いて私はようやく私はとんでもないことになっていたと気づきました。

母「二度とその集会へは行くな!あとその友達には二度と近づくな!」と母から釘を刺されました。

その時の母の鬼のような形相は今でも忘れられません。
私はその宗教団体からもらってきたバッヂと案内書(経典?)を庭のどこかに深く埋めました。
本当はどこか別の場所に捨てたかったけど、そういう宗教団体って誰が入っているかも分からないし、もし近所にそこに所属している人がいたらなんかやばい事にもなりかねないので。
ちなみに集会に行く前にMからもらったCDは、その宗教団体の広報担当のミュージシャンのものだったらしい。なんか気持ち悪いのでそれも砕いて清めの塩を大量に入れて一緒に埋めましたw

それからしばらくはMが「集会いこうよ」と誘ってきましたが相手をしないでいました。毎日のように寄ってきていましたが、
私「騙されて連れていかれたところには二度と行かない」とつっぱね続けました。かなりしつこかったんですが、2ヶ月ほどしたら話しかけてこなくなりました。どうやら別の人を標的にしたみたいでした。

今振り返ると、女性との対話、あれがマインドコントロールというヤツなんだろうなぁと思います。
母からビンタくらって説教を受けなければ今頃どうなっていたやら・・・
何を信じるかはその人の自由ですから、宗教に関しては何も言いませんが、だまして連れていったり、マインドコントロールはやめましょうよ。フェアじゃないです。

皆さんもよく考えて行動しましょうね。(^_^:)

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