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手打術新書[うどん打ちの全て]三巻-理論編-デザインの章

うどんというのは原材料でいうと小麦と水だけでできてしまう。これにうどん唯一の装備品である塩を加えても、非常にシンプルな素材で生まれる。

そのシンプルさは、あらゆる食べ方の可能性を生むが、一つのズレが大きな変化を生んでしまう、繊細さとバランスを取ることの難しさを孕んでいる。

例えば「薔薇」と「水」という漢字、書き終わるのに時間がかかるし覚えるのが難しいのは前者だが、一つ一つの線や払いの長さ太さなど、全体のバランスを取るのが難しいのは後者だ。

作るのは簡単だが、美しく見せるのはシンプルなものほど繊細なところを見る必要がでてくる。

もしかしたら美しいかどうかを見る者は少数派かもしれない。

だがその美しさを追求するのが職人であり、本物を生み出すのに必要なことであり、シンプルなものを作る面白さなのである。

その奥深さを理論という形でこの章で追及していき、理論を元に様々なうどんの食べ方から理想の食感、麺線をデザインする方法に触れていく。ボリュームのある章となるので覚悟してほしい。

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11,180字

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