【ホーホケキョ】「春告げ鳥」ウグイスのはなし
春の訪れを告げるかのように囀る、野鳥の美しい歌声を耳にする季節となりました…🐤
古くから日本人は、ウグイスの「ホーホケキョ」というさえずりによって春の訪れを感じてきました。そんなウグイスは別名を「春告鳥」といいます。
今月授与している「桃花」特別御朱印は、明るいウグイス色で春をお届けします♪
今回は春の象徴としての鶯や、小野照崎神社の鎮座する最寄り駅のひとつ、「鶯谷」という地名にまつわるお話です😊
春を告げる鳥「鶯」
春になると「ホーホケキョ」と鳴き、私たちに春の訪れを教えてくれるウグイスですが…実は年中「ホーホケキョ」という鳴き方をするわけではありません。
秋から冬にかけては「笹鳴き」と呼ばれる「チャッチャッ」という鳴き方をしています。これが気温が上昇し、暖かくなってくると「ホーホケキョ」と鳴き、春の訪れを告げるのです。
そしてこうした「ウグイスの初鳴き」は梅や桜の開花日と同様、現在でも気象庁が生物季節観測として全国的に観測を行っています。
ウグイスの「ホーホケキョ」という鳴き声は、文字通り“日本の春の訪れを告げる一つの指標”になっているのです。
2月の暖かい日、「ケキョ」や「ホヶキョ」といった決して上手とは言えないウグイスの鳴き声を耳にすることがあります。
練習中であろう鶯の鳴き声が聞こえてくるのは愛らしいものですが、生物季節観測ではその年初めて明確に「ホーホケキョ」と鳴いた時が「初鳴き」と定義されるとのこと。
ウグイスも一人前になるまでにはいろいろな苦労があるのですね…!
「梅に鶯」
「梅に鶯」という言葉がありますが、“美しく調和する取り合わせのいいもの”という意味の言葉です。
こちらはウグイスではなくメジロですが、「ウグイス」と聞いてこちらの鳥をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
梅の開花の時期は、ウグイスのさえずりがはじまる時期と重なります。
そのことから、早春を代表する「梅」と「ウグイス」という取り合わせが古来から「美しいもの」として、詩歌や絵画によく使われてきました。
『大鏡』の「|鶯宿梅《おうしゅくばい》」など、美しい逸話も多く伝えられています。
実際には、都心部で梅の枝間を飛び回る小鳥はウグイスではなく「メジロ」であることが多いようですが、春の訪れの代名詞である「梅」と「ウグイス」という滅多にない共演は、多くの人の憧れであったことでしょう…✨
「梅に鶯」は、現在も春の訪れを伝えるモチーフとして愛されています🎵
「鶯谷」はかつては鶯の名所だった
当社へお越しの際は、入谷駅のほかJR鶯谷駅も利用していただけます。
そしてこの「鶯谷」という駅名は、かつてこの地が鶯の名所だったことに由来しています。
東京の交通の要所である上野と日暮里を繋ぐ、多くの線路が走る土地として開発が進んだ鶯谷ですが、かつては自然があふれ、野鳥の鳴き声が聞こえる静かな場所でした。
江戸時代、徳川将軍家の菩提寺である上野 寛永寺の住職は、皇族が京都から代々赴任していました。
そのひとり公弁法親王は、上野の森のウグイスの鳴き始めが遅く 声も美しくないことを悲しみ、当時の文化人・尾形乾山に京都から美声で“はや鳴き”のウグイスを運ばせました。
その数、なんと3500羽…🐦🐦🐦🐦🐦🐦
このため鶯谷のウグイスは美しい声で鳴くようになり、江戸府内でも最初に鳴き出す“初音の里”として知られるようになったといいます😊
鶯谷という地名自体はもうありませんが、かつて存在した「鶯谷」の名残は駅名にとどまり、今も昔の姿を伝えています🌸
当社参拝の際には、上野方面にも足を伸ばして「鶯谷」の名残を感じてみてはいかがでしょうか…😊🐦
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