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ハンバーグ

自分の頭の中にハンバーグが蔓延り始めたのは、きっと2023年6月22日に二子玉川ジェミニシアターで行われた『In Memory of 坂下秀美』〜坂下秀美(ex.四人囃子)を偲ぶ会にて、僕がプロコル・ハルムの「ハンバーグ」を歌ったからだ。坂下さんには生前大変にお世話になりました。僕の曲をいっぱい誉めてくださった。この「ハンバーグ」は坂下さんが大好きな曲だったとのこと。1967年リリース。でもこの曲名は「Homburg」で、ホンバーグまたはホンブルグと呼ばれる帽子のことであって、ハンバーグ・ステーキ(Hamburg Steak)のハンバーグではない。

プロコール・ハルム ハンバーグ

でも日本版シングルは「ハンバーグ」であった。ついでにバンド名もプロコール・ハルムと表記されている。プロコールなんて風邪薬の名前みたいだ。真ん中後ろにロビン・トロワーがいる。僕の大好きなギタリストである。プロコール・ハルムを脱退後にソロアーティストとして頭角を現した。現在も現役バリバリのギタリストである。ってそっちの話じゃない。ハンバーグの話である。ハンバーグだ。

神戸新開地グリル一平のハンバーグステーキ

頭の中にハンバーグが蔓延ると、ハンバーグの食べ歩きに繋がってしまう。写真は神戸新開地『グリル一平 新開地本店』のハンバーグステーキである。

神戸新開地グリル一平のハンバーグステーキ

ウマウマウー。ヒジョーにウマイ。ハンバーグは肉の旨味がぎゅっと凝縮されていてウマイ。グリル一平オンリーワンのデミソースがまたウマイ。鉄板に載ってじうじうと音を立てながら提供される。このじうじうがまたたまらない。日本が誇る日本の洋食の味わいの極致であると思う。しみじみウマイと思うハンバーグだ。

炭火焼きレストランぶるのぶるハンバーグ240g

こちらは横浜市緑区台村町、JR横浜線と市営地下鉄グリーンラインの中山駅近くの『炭焼きレストラン ぶる』のぶるハンバーグ240gである。

炭焼きレストランぶるのぶるハンバーグ240g

ウマウマウー。オールビーフ100%の俵型ハンバーグ。オーダーすればレアでも焼いてくれるが、ミディアムにしてちゃんとお肉に火が通っているところが多い方がウマイと思う。ソースも色々選べるが、僕は何もかけないでこのまま食べるのが好きだ。下味が絶妙にあるので、このままで良い。大満足である。ああハンバーグ。寝ても覚めてもハンバーグ。

こうしてハンバーグ熱に浮かされていると、全国主要都市ハンバーグ食べ歩きを始めてしまいそうになる。この熱を下げる特効薬を僕は知っている。今年前半はチャーハンやヤキメシの類いを食べ歩いていたが、自分で作ってみたところ何かが自分の中で腑に落ちて、チャーハン食べ歩き熱がスッと下がったのである。決して熱が消えたわけではなく、落ち着いたのだ。何かに追われるようにあちこちに食べに行っていた心の焦りが治まったのだった。今回もその処方箋がそのように効くかどうか判らないが、とにかくハンバーグを作ってみることにした。これで熱が治まれば早期治療に成功と云うことになる。

パン粉とハンバーグシーズニング

あまり難しいことを考えずに、ハンバーグシーズニングの袋に書いてある作り方に準拠して作る。それでもきっと自分なりの味になるであろう。今までの経験からそれは断言出来る。

タマネギみじん切り

タマネギをみじん切りにして炒めるなんて、もう本当に心の底から面倒だなと思うのだけれど、これは避けては通れない。ちゃんとみじん切りにしてちゃんと炒めた。自分のことを褒めてやりたい。よしよし。

材料を混ぜる

合い挽きの挽肉、炒めたタマネギみじん切り、パン粉、玉子、シーズニングを入れてよく混ぜる。思い出すのは僕が子供の頃、母親が作ってくれたハンバーグである。きっとこんな風に何かのレシピを見て作ってくれたと思うが、あまり料理のセンスのない母親であったので、この後でハンバーグを真っ黒焦げになるまで焼いたのである。肉汁というか脂や水分が全部フライパンに出てしまって、そのオイリーな汁の中に真っ黒なハンバーグが浮いていると云うおかしな光景を覚えている。多分、平べったくせず、一つ一つの大きさも大きく、空気抜きもしなかったのであろう。更にはその流出した汁を漉しもせずに、ケチャップやらソースやらを入れてかき混ぜた新たなる液体を黒いハンバーグの上にかけたのであって、これは食欲が沸かないルックスになることはご想像の通りだ。そして特に悪びれもせずに「焦げたところは食べなくて良いわよ」と云われたが、焦げたところを除くと可食部分は殆どなくなるのだ。なので我慢して少し焦げの具合の浅いところを探して食べることになる。偏食児童の僕であったが、この焦げたハンバーグの味は記憶にしっかり残っている。食べたのだな、僕は、あれを。どんな気持ちで食べていたのかなんて思い出せないけれど、普段は絶対に食べないタマネギのかけらも拾って食べたのだ。焦げたのを面白がって食べていたのだろうか。それに近いような気もする。

ハンバーグを焼く

そんなわけで、焼くところまで辿り着いた。真ん中をぎゅっと凹ますと良いと何かに書いてあったが、何だかこれでいいやとまあ平らに作って焼き始めた。焦げたら焦げたでそれはまたネタになるであろうから、あまり気にしないようにする。それでも一応レシピ通りに時間を見てひっくり返す。それから蓋をして火を弱めて、時間通りに蓋を開けてみる。

ハンバーグを焼く

やはりちょっと肉汁は出てしまっているが、予想よりも全然少ない。母親が作ったのは肉汁の海に浮かんでいたし、もっと真っ黒だった。僕のハンバーグは何だか美味しそうに見える。僕は成功したのか。ハンバーグに勝ったのか。勝ち負けではないけれど。

自作ハンバーグ

この写真だとかなり黒いが、自作ハンバーグの出来上がりである。拍手喝采。自画自賛。なかなかいいぞ小野瀬雅生。

自作ハンバーグ

寄りの写真だと美味しそうでしょ。よしよし。そしてソースなどはかけずに食べてみることにする。何か味が足りなかったらそこで初めて調味料を足そう。イタダキマス。

自作ハンバーグを食らう

ウマウマウー。ウマイですよ。これはちゃんとウマイですよ。下味もしっかり付いているのでこのままで充分ですよ。しっかりジューシーですよ。こんなに美味しく作れるのなら普段からもっと作ろうと思う。

自作ハンバーグを食らう

ウマウマウー。お肉の味がちゃんと判る。ごく普通の合い挽き肉を買ってきたけれど過不足ありません。ヒジョーにウマイ。やるじゃないか小野瀬雅生。まあS&Bのハンバーグシーズニングに書いてあったレシピの勝利なのだろうけれども。そう云ったレシピやガイド通りに料理を作っても、上手く出来ない時は不思議と出来ないので(カルボナーラがその代表)、ハンバーグはちゃんと出来て僕はホッとしたのだ。

自作ハンバーグ丼を食らう

これはご飯に載せねばなるまい。自作ハンバーグ丼も出来上がった。これもソースなどはかけない。足りなかったら考えよう。

自作ハンバーグ丼を食らう

ウマウマウー。ええじゃないかええじゃないかハンバーグとご飯。合わないわけはないけれど、それにしてもナイスマッチングである。もうちょっと塩気があっても良いかと思ったが、年齢60歳、血圧も高めであるので、自作はこれくらいで良かろう。実際に塩(岩塩)をちょっとかけてみたらトゥーマッチであった。これでいいのだ。

自作ハンバーグ丼を食らう

ウマウマウー。きっとこれで僕の過剰なハンバーグ熱は落ち着くであろうとこの時に食べながら思っていた。そしてこの記事を書いている現在、本当に治まった。足るを知る、と云うのとはまた違うのかも知れないが、自分の中に確固たる基点が出来たのだ。世に星の数ほどあるであろうハンバーグ。これより高級素材をふんだんに使って、完成度が高いのはいっぱいあるであろう。でもこの自作ハンバーグ以上に自分が気に入るハンバーグはそんなに数多くないと思う。そうした卓越したものには偶然に出会えばよろしい。アンテナだけ張っていればよろしい。そう納得出来たのです。ああ美味しかった。満足至極。

ハンバーグ

長くなってしまったが、ハンバーグのお話は以上。そう云えば、このハンバーグに似た形状で、アメリカの家庭料理にソールズベリー・ステーキと云うのがあるそうな。その名称を初めて知った。日本で出しているお店なんてないのではないか。と思って探してみたら、幾つかヒットした。興味津々ではあるがそれもいつか巡り会うのを待とう。ソールズベリーと云えばピーター・ガブリエルの7拍子の名曲「Solsbury Hill」を思い出すのだが、ステーキの方のソールズベリーは「Salisbury」である。人名であるそうな。繋がらなかったか。まあいいか。最後は脱線したまま失礼します。

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