国外に届ける
映画「わたしは光をにぎっている」の中川龍一郎監督とトークイベントをした。
「わたしは光をにぎっている」は、田舎から出てきて、東京の下町にある銭湯で働くことになった女の子の日常を描いた映画だ。
監督自身が「街の記憶を残したかった」とおっしゃる通り、人よりも、今、そこにある街の景色を切り取ることに情熱を傾けた映画である。
友人の税所あつよしくんが企画したイベントで、ちょうど「メゾン刻の湯」とストーリーに似たところがあり、対談の相手として選んでいただいた。
監督はまだ29歳で、しかし29歳と思えないほど落ち着いた方だった。
トークの中で監督が「この映画は、海外の芸術祭で評価してもらえる芸術性と、国内の市場でうけるエンタメ性、そのギリギリの隙間を狙って作ってる」とおっしゃっていたのが印象的だった。
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