「海辺の映画館 キネマの玉手箱」を見た

私は尋常じゃないほど緊張して家を出ました。

これが大林監督の最後の作品であること。

それに、尾道をスクリーンで見るのが初めてだということ。

さらに、3時間座っていられるかと言う不安。

私は戦争モノが嫌いで、怖くて、心が張り裂けそうで、そういった感覚になるのではないかという不安などなど、

数え上げればキリがないほどのあらゆるコトが頭を駆け巡りパニックになりそうでした。

これは、主人公3人男性陣が、映画の中に入り込むのだから、実際にはタイリープとは違うと私は思うのです。虚構の中だから、歴史は変わらないのです。しかし、桜隊の劇団員たちは、彼らを演じる俳優というよりも、丸山定夫、園井恵子そのものだったようにも思い、なんだかよくわからなくなっています。何度も見たらまた違う解釈になるかもしれません。まだ今はわかりません。

難解だと前評判を何回も読んだせいか、それほど難解には、思わず、テーマはとてもわかりやすい。前述のようにまだ噛み砕けない箇所などスルーできるほどに、確かな手触りのある映画です。それとも大林映画を何度も何度も見てきたせいで、免疫がついたのでしょうか。ナレーションやテロップやリフレインなど随分丁寧な作り方をされていましたから、大林監督がやりたかったのは、いかにテーマがぶれないかの実験映画だったのでしょうか。

付和雷同。2020年も変わらぬ日本人。

恋人を選ぶように、平和を手繰り寄せなさいといったニュアンスのセリフが一番、大林監督の優しさを表していました。


まだまだ書きたりません。

なんかソワソワしてまた時間を改めて書くことにします。


ちなみにラストシーン、大林宣彦にしか作れないと思いました。

最後の最後に、大林宣彦の名前を見たときに、私は涙が出ました。

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