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静かに彼が諦めた音

【静かに彼が諦めた音】

今日は、お風呂で兄妹仲良くおうちプールごっこ。
パパの帰宅が20時前ということで、お風呂に2人が入っていたら丁度良いと思いさり気なく行動を促す。
おうちプールが大体お開きになりそうな頃合いに、パパが帰宅。パパがお風呂に入ろうとすると、子ども達はプール第二ラウンドの気配。けれど、パパは1人で入りたそう(に見える)。妹は、ストロング精神で己の気持ちのままに一緒に入る。察しの良い兄は、入りかけたけれど入らない。3人で入るには段々と手狭になってきている。諦めたのか、納得したのか、妹に譲ったのか。一連の息子の気持ちの流れを見ていた私は声を掛ける。『入って来ても良いんだよ』『大丈夫』予想外にテンポ良く返事が来る。なんだか読み取れない表情をしている。静謐な澄んだ瞳。まるで地平線の彼方を見つめているような。怒っている訳でも悲しんでいる訳でも葛藤している訳でもない。彼の選択の音。鳥の羽が落ちるより軽くて小さなその音を聞き逃さないようにと思った。良し悪しは判断できない。ただ、心がキュっとなった。中々言葉が見つからずに困ったけれど、更に声を掛ける。『お母さんと楽しい遊びしてよう』彼の選択を、応援することにする。

子どもは一見、点で動いているように見えるけれど、実は一本筋が通っていて…流れで行動を見ていてあげた方が同じ目線に立てる。と、思う。


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【せかいでいちばんママがすき】という絵本…児童文学を思い出す。

表紙のお兄ちゃんから滲み出ている何か、読む前から胸が一杯。彼には、妹が居る。家族構成が、我が家と全く同じ。だからか、初見で娘に読んだ時は、お兄ちゃん(ゆうた)に感情移入し過ぎて読むのを断念してしまった。お話の中で、ゆうたくんはどんどん我慢が積み上がっていってしまっていく。今にも感情の風船が爆発しそう。文章も凄いけど、絵の見せ方も凄くて。ゆうたくんの見えているこれから先の景色が、色鮮やかであり続けることを願わずにいられない。最後まで読めて良かったとは思う。

お兄ちゃんだから、というような声かけは意識して息子に言わないようにしている。先に生まれたか後から生まれたかというだけで、子どもに責任を追わせることはしなくないから。基本的には兄ファーストの方針。

彼の選択を諦めたと決め付けてもいけないので、一歩引いて見守る。『諦めるな!』と、松岡修○風に息子にけしかけるのも何か違う。気がした。

子どもの成長について、考えさせられた夜だった。しかも、眠いのを我慢して妹に一冊絵本を読んであげた(その前に私が6冊読み聞かせ済み)。妹にせがまれて、自発的に。頑張ったね、お兄ちゃん。

#お兄ちゃん
#兄妹

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