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おいしいふるまい ~いきいきとしたモノたち

ここでいうふるまいとは、知覚や環境の調整などの環境との関わりによって生ずる現れのことである。これまで、主に人間が知覚するという立場をとってきたが、ここでは環境と関わりをもつものは人間に限らない。

例えば、窓やテーブル、階段、手摺などの建築の部位やモノ、都市における建築物や、光や風、雨といった自然など、さまざまなものの環境との関わりによる現れが考えられる。さらに、これらは文化や都市、歴史と言った個体を超えた時間のオーダーと、それに伴う公共性を持ちうる。

つまり、ここで書こうとしている多様な知覚の主体を人以外に置き換えてモノの側から考えた時に、環境との関わりによって生ずる現れがあり、人がその現れを知覚した際に何らかの意味や価値を見出だせるものがおいしいふるまいである。これは一言で言えば実践状態の知覚の悦びといえるだろう。それはここで書こうとしている多様な知覚の可能性を内包するものである。

建築の空間は、あらゆるもののふるまいを考えた時にそれらの実践が均衡する一つの状態であり、それはおそらく動的で流れの中にあるものだろう。

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