[日々鑑賞した映画の感想を書く]『いとみち』(2020年 横浜聡子監督)(2021/7/14記)

 内気で口下手でコンプレックスが強くて友達のいない青森の田舎の女子高生がメイドカフェに勤めて祖母に習った津軽三味線を弾くことで、次第に明るく開かれていく様子を描く。最初は無口で暗く表情も乏しい主人公が、友達や仲間が増えるにつれ表情豊かになってどんどん可愛くなっていくのがいい。主人公の少女を演じた女優さんが初々しく、また全編で交わされるディープな津軽弁の会話が非常に効果的。津軽三味線の演奏もごまかさずきっちり撮っている。地味な内容の映画だが演出力の確かさがうかがえる良作。
津軽弁はあまりにディープかつハードコアすぎて東京者にはほとんど理解不能ですがw、映画を楽しむ分には差し支えない。大学時代に八戸出身の友達が住む青森県の学生寮に遊びに行った時の異世界感を思い出して楽しかった。その友達は同郷の友達と話している時ものすごい訛りの津軽弁なのに、こっちに向き直ると流暢な標準語を喋るのである。すげえこれはバイリンガルだと思ったのだった。(2021/7/14記)

よろしければサポートをしていただければ、今後の励みになります。よろしくお願いします。